ブ-4
「もう、あんな心配怖いのよ」
「俺との3年間の結婚生活を、失くしたい程後悔しているのかと思ったんだ」
「ううん。その逆。失くしたくないから戻りたかったの」
私は、恥ずかしくて祐一くんには内緒でやっていたブログを見せた。
「私のブログを見ても幸せだって分かってもらえると思う」
「しおり」
「私は復職しない。今のままで十分幸せ。
5年前の私に誇れるぐらい専業主婦が幸せだよ!
祐一くんの人生のサポートをするのが私にしかできない仕事だもん」
「しおり」
乱暴なぐらいのキスをされて。
キスの合間に、せわしなく私の名前を呼ぶ。
「しおり。・・・・しおり」
ここ数日、池田と呼んでいた分を取り戻すかのように
私の名前を連呼する。
祐一くんはスーツの上着をそのままソファーに投げかけて
私を抱き上げて寝室まで運んだ。
ベッドの上で、ゆっくりとキスをする。
2人の脱ぎ捨てられた洋服がベッドの周りに散らばった。
下着を付けたままの身体中にこれでもかとキスを繰り返す。
「ゆう、いちく・・・ん」
「愛してるよ」
久しぶりに言われたその言葉は、全ての記憶の中で1番嬉しい。
「私も。私も愛してる」
そう答えた私の言葉に嬉しそうに笑って、
見慣れた手つきで、私の選んだフレームのメガネを外した。