第１５話『売笑オークション ウィップ・プライス』-5
７品目。 【姉妹の『シミ付パンツ』】（会場参加者が『６２００ユーロ』で落札）
司会者から、この場でシミをつけて、下着を脱ぐように促される。 少女はジッと俯いたままだ。 代わって姉が少女の股間に下着の上から手を這わせ、鷲掴むように、強く激しく揉みこむ。 やがて少女のパンツに綺麗な正円状のシミが現れた。 続いて自分のパンツを、やはり激しく力を込めて揉みしだく。 姉は、時折クリトリスを親指の付根でしごきつつ、ものの１分でパンツに特大のシミを拵えたのだった。
８品目。 【姉妹の『陰毛でつくった筆』】（会場参加者が『５８００ユーロ』で落札）
下着を脱いだ２人が衣装をまくる。 この日のために伸ばしたのだろうか、お手入れから程遠いマン毛はぼうぼうだ。 そんな陰毛を、毛抜きを握った司会者とアシスタントが、１本ずつ摘まんでは抜く。 股間に寄った集音マイクは、プチッ、プッ、ピッ、ピピッ、毛根が抜ける音をしっかり捉える。 少女たちは、おそらく『悲鳴をあげないよう注意』されていたのだろうが、１０本に１本程度の割合で、抜かれる際に『いっ……！』『ん……！』、押し殺した短い喘ぎを漏らしていた。 １人１００本ずつ、合計２００本抜いたところで、その場で職人が毛を束ねて竹筒に嵌める。 あっという間に、縮れっ毛の『絵筆』が完成した。 なお『５８００ユーロ』という値段に対し、『クレイジー』『会場に集まってる連中は、いったいどれだけ変態なんだ？』『なぜ【添い寝】よりも【陰毛】に群がるのか、俺には訳が分からない』などなど、ネット参加者たちは呆れていた。 有名人の陰毛ならいざ知らず、名もない貧民の陰毛なんて、彼らにとっては有難くも何ともない。 『オークションで買った道具は自慰行為の免罪符になる』という事情を知らないネット参加者にとってすれば、訳が分からないのもむべなるかな。
９品目。 【姉妹の使用済み『二プレス』】（会場参加者が『６９００ユーロ』で落札）
司会者がさりげない手つきで姉妹のブラジャーに指を這い込ませ、サッと二プレスを貼りつけてから下着を剥いだ。 慎ましい少女の乳首には『サクランボ柄』の二プレスが。 姉の豊満な乳房のてっぺんには、『ニコニコマーク』の二プレスが並ぶ。 乳首を隠すといいながら、逆に乳首の位置を主張するシールたち。 既に陰唇の型や陰毛を晒した後とはいえ、姉妹の羞恥心は相当なのだろう。 顔を赤く染め、恨めしそうに、上目遣いにカメラを睨む。 ネット参加者が『興味なし』『いらない』と早々に見切りをつける中、物品であれば無条件に会場から高額がつく。
１０品目。 【姉妹の使用済み『たんぽん』】（会場参加者が『７２００ユーロ』で落札）
既に月のモノが始まって４日を過ごしている２人は、普段は貧乏で生理用品などつけないものの、司会者から事前に渡されたタンポンを挿入していた。 経血を垂らす姿が番組に相応しくないんだろう、と思っていたとすれば、それは違う。 ただ単に１つでも商品を増やしたい司会者に踊らされているだけだ。 司会者がおもむろにタンポンを引き抜き、終わりかけ特有の黒ずんだ血がこびりついた綿が現れる。 いかにも不潔な、見ているだけ画面越しに匂ってきそうな色合いだ。 これもネット参加者が興味を示さない中、会場がこれまでの最高額で落札した。 『世界は広い。 俺なんて全然ノーマルだった』『タンポンに７２００ユーロって……俺のボーナスの３倍なんですけど？』『お父さんお母さん、真人間に産んでくれてありがとう』 ネット参加者からは、自虐的なコメントが溢れたのだった。
こんな調子で、種々雑多な商品が休む間もなく登場した。 他には『姉妹と全裸で【泥レスリング】で勝負できる権利』、『姉妹の膣のサイズを計った【定規】』、『姉妹の【尻型】（肛門の型を石膏でとったもの）』、『姉妹が互いをクンニする音声が入った【目覚まし時計】』、『姉妹の【おっぱいおでん】（おっぱいで型をとった練り物のみのおでん）』、『姉妹が全裸でクレーンからぶら下がり、購入者の希望する内容を空から広報してくれる権利』、『姉妹が最初に出産したときの【へその緒】（姉妹は２人とも処女であるため、当然妊娠もしておらず、今後妊娠・出産することがあった場合の予約権）』、『姉妹の名前を【命名】できる権利（誰も落札しなかったので、仕方なく司会者が落札し、少女は【リコ】から【クリトリコ】に、姉は【リタ】から【マンゴリタ】に改名することになった）』等。