巴のバレンタインデー-9
「………。」
「……。」
ケータイに出るもお互い言葉は交わさず。
「あの、巴…さん。」
んもぅ!何でこんな時までふざけるのよ!
「何か用?」
「その…。」
「部活忙しいんでしょ?こんなやけくそ女何かほっといて練習してればいいじゃない。」
「いや…。」
一方的に押される彼。
「…今更電話何か掛けて来ないでよ!白々しい!」
「…御免、本当に。」
「……何が御免なの?」
「それは、気が付かなくて。」
「何が、小鳥遊君に言われてやっと気づいたんでしょ事の重大さが。」
「…。」
「無意味な告白して振られてそこにしゃしゃり出て来て、遅すぎるのよ!アンタはぁ!全てがぁ!」
「巴、今度の休みの日。」
「バーカ!話聞いてた!?もう私にアンタは必要ないの、アンタが私を必要に思ってくれていないようにね。」
「そんなの、嘘だよ。」
「嘘じゃねーし!」
「嘘だよ!でなきゃ電話に出ないでしょ!?」
「っ!そ、それはあまりにもうざいから。」
「雪祭り、行かないか僕と一緒に。」
「だっだから!」
「チャンスが欲しい!」
「え…。」
「…君は知らない男子に突然やけになって告白何てした、僕に相談もせず。」
「それはアンタがっ!」
「勿論その原因を作ったのは僕だ、だからお互いに非があるんだ。」
お互いを思うからこそすれ違い、そしてぶつかり合う。
「蓮…。」
「明日、10時に会場で待ってるから!」
彼の誘い、でも彼女は返事はせず。
「…そろそろ帰らないと、さようなら。」
と、一方的に切り私の家も後にした。