巴のバレンタインデー-5
「うーん、それだとほとんど一条君巴ちゃんの事ほったらかしだね。」
「うん…、まるで考えもしない感じ。」
「学校でちょっと水野君の身辺を聞いたらやっぱり彼と巴ちゃんには繋がり何て存在しないみたい、本当に行き成り呼び出してチョコを渡したって感じ。」
「それって。」
「えぇ。」
どうやら話は大分見えてきた。
「でも男女の間じゃよくある事なのかな、大人になって自分の趣味や仕事を優先にしずぎるっていう、それなら別に。」
「そんな呑気な事言ってる場合じゃないよ!」
「えっ。」
珈琲を一飲みし深刻そうな顔でゆっくりとカップを置き言う。
「巴ちゃん、告白するみたいよ。」
「えっ!あの水野君に?好きでもない相手を?」
「彼女に聞いたら思い詰めたようにそう宣言したの。」
「何、それって。」
「うん、一条君に振り向いて欲しくて、自分がいかに寂しいかを分かって欲しいか、それともこの際諦めて自棄になったか、いずれにしたって正しい行動じゃない。」
「そんな…。」
一条君…。