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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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巴のバレンタインデー-4

「うーん、男子二人で公園を歩くっても青春だねぇー。」
「一条君。」

放課後、僕は人気のない公園に彼を呼び出した。

「…ねぇ一条君。」
「あっユーホー!なぁーんて古いか♪」
「……。」

相変わらずの天然っぷり。事の重さをまるで理解していない。

「で、どーしたのぉー?なぁーんか相談事かぃー。」
「それは。」
「新しいパパさんとは上手くやってる?」
「まぁね。」

そうやって心配してくれるのはとても嬉しい、友達って良いな。

「そういう君はさぁー最近上手くやってるの?伊吹さんとは。」
「んー。」

恋人が自分を捨て、別の男子にチョコを渡し事何てまるで知らない様子。

「デートとかしてる?」
「そーいえばぁーしてないなぁー。」
「なんで?」
「なんでと言われましてもー、部活で忙しいのよ、次の大会に向けてもって腕を磨きたいし、新しい部員も入ってきてその子らの面倒指導だってしなくちゃいけないし。」
「その事彼女には話したの。」
「うんにゃ。」
「いや、うんにゃって…。」
「別に話す事でもないし。」
「そんな。」
「人にやって様々ね、君たちは他愛もない事も打ち明け合うんでしょうけど。」

そりゃそうだけど…。

「じゃあまり会話とかしてないの?」
「うんそうかもねー。」
「…。」
「これってまるで熟年夫婦みたいねー、会話のない。」
「ふざけないでっ!」
「っ!…あらら?」

あまりに呑気過ぎてつい声を張り上げてしまった。

「このままだと本当に別れちゃうよ!?」
「んーだぁーいじょーぶだよぉー、こんな事くらいでさぁー。」
「今度休みだけどお祭りにでも行ったら二人で?丁度地元で雪祭りがやってるみたいだからさぁ、伊吹さんを誘って。」
「アイムソーリー休みの日も部活なのだよ。」
「そんなに部活が大事!?伊吹さんよりも…。」
「……風馬くぅーん?あまり人の恋愛に首突っ込んじゃダメダメ。」
「でもっ!」
「そのくらいにしないと…僕、本気で怒っちゃうぞ♪」

とぼけた笑み、でもその顔は何処か怒りに満ち溢れているようにも見えた。


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