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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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巴のバレンタインデー-3

「…どうだった?」
「……。」

通話中は一切言葉を発さずゆっくりと珈琲を口にし、その真偽を見守り、通話が終わるとそう言葉を口にするとともにカップをテーブルに置き。

「実は…。」

電話で確認すればそんな変な不安はすぐに一層されるのでは?そう期待したのがすぐに裏切られ。

「あぁ見てたんだアレを。」
「えっ巴ちゃん!?まさか…。」
「うん、水野を呼び出してチョコを渡したわ。」
「そんな。」

躊躇いも悪びれる様子もなくストレートに答える彼女。

「…な、なんでさ。一条君は?」
「良いよもうアイツは、もじゃ毛だし最近お痛が過ぎるし。」
「巴ちゃん。」

一条君を捨て、水野君に走ったのか。

「でも伊吹さん彼に惚れたのかな、というより接点何てあったっけ?」
「…私たちの知らないうちに彼と良い関係になったのかも。」

そういや私は彼女の事まるで考えてあげてなかった、一条君とも上手くいってるし、特にトラブル何てないと思い頼るだけ頼って相談を聞くだけ聞いて、確かにたまに買い物や何処かに遊びに行ったりはするけど。

「…私、酷いよね。彼女を利用するだけ利用して、巴ちゃんが恋人と上手くいかず知らない男子と親交を深めるまでなってるのに全く気付かない何て…。」
「若葉ちゃん。」

自己嫌悪に陥り、ストンとカップに視線を落とす。

「利用だ何て、伊吹さんだって好きで相談に乗って力になってる訳だし、ここまで気づかないのだって自分たちの事であまり心配掛けたくないと思ったんだよ。」
「そうかもしれないけど、でも。」

やっぱり、納得いかない。

「……。」

そんな私の心情を察したか、彼は席から立ち人肌脱ぐ事に。

「分かった、僕だって一条君達には世話になってるんだ。」
「風馬君。」
「伊吹さんの事はまた後で聞いてみるとして一条君にもちょっと話してみる。」
「ありがとう。」


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