M好機-2
肌を触れ合った男女にしか理解できないテレパシーのようなものだ。
だから彼女に会うたび僕の心は少年のようにときめく。毎日が楽しい。
あの情熱の一夜を忘れかけていた数か月後、田中さんから電話が入った。
彼女の携帯がバッテリーあがりで繋がらないため自宅にかかってきたのだ。
大急ぎで彼女を呼んだ。電話を聞かないために席を外した。長い電話だ。
「雨宮さんお願いがあります。
今日は後援会長のご子息の結婚式で主人は朝から出席しています。
私は欠席させた頂いたのですが今披露宴も終わり少し顔を出せと会長からの要求で
行かなければなりません。急な事なので恵美を預ける相手がいません。
柴崎さんや増田さんももう帰られて今頃夕食の買い物や料理に忙しい事でしょう。
ですので、しばらくの間恵美をここで遊ばせていただけないでしょうか。
2時間くらいで主人と二人で迎えに来ます。よろしくお願いします。」
服を着替えるため大急ぎで自宅へ帰って行った。
子供部屋で遊ぶ二人の子供たちをモニターで眺めながら先日のひかりの言葉を
思い出していた。もちろんセックスの後のベッドでの会話だ。
市議選の後恵子さんに誘われて恵美子さんともどもランチを楽しんだ。
当選した後なのに恵子さんのテンションは低かったそうだ。
「どうしたの。元気がないわね。」「そうなの。夫婦で今日病院へ行って来たわ。」
「えっ、田中さんどこか悪いの?」「いえ、大した事じゃないのよ、心配しないで。」
「わかった。妊娠ね。」「だったらいいけどね。その反対よ。この話はこれで終わり!」
その後は近所のママたちのうわさに花が咲いて楽しかったそうだ。
半年ほど前の話だ。
1週間ほど前、優樹菜の下痢が止まらないので病院へ連れて行ったの。
その時病院から出てくる田中夫婦と会ったのよ。
「恵子さん。ご主人大丈夫なの。」
夫が答えた。「大丈夫ですよ。この通りピンピンしていますよ。」
恵子さんがイラついた表情で「そう。私が我慢すればいい事だから心配しないで。」
半年前と一週間前の会話から夫のED治療以外には考えられないとひかりは言う。
「じゃ、恵子さん8ヵ月以上レスだって事になるね。」
「そういえばこの頃、大きくため息をつくことが多くなったわ。
今まで以上に妖艶になって着るものもセクシーになってる。
今なら雨宮さんでも落とせるかもしれないわよ。」
約束の2時間が過ぎても帰って来ない。
3時間が過ぎる頃LINEがあった。「もう少し遅くなります。御免なさい。」
夜11時ごろ赤い顔、ふらつく足で彼女は入ってきた。
「すみません。後援会長の取り巻き達が放してくれなくて遅くなってしまいました。
多分主人は帰って来れないでしょう。恵美はどうしていますか。」
「恵美ちゃんなら食事も済ませ慎一の部屋でよく寝ていますよ。」
「有難うございます。さっそく連れて帰ります。お礼は改めて主人ともどもお邪魔します。」
「いや、恵美ちゃんよく寝ていますから少し僕の相談に乗って頂けませんか。」
立ち上がって上着を脱いだ。ノースリーブのニットのワンピースだ。
このタイプのワンピースは身体の線がはっきりと表れる。
体型に自信のない人は絶対に着ないものだ。
胸のふくらみ、豊かな尻、見事にくびれた腰、そのどれもが素晴らしい。
酔った男たちが簡単には帰らせてくれないはずだ。
前からの立ち姿で広く張り出した骨盤とふっくらとした恥丘が見て取れた。
横からの姿は尻の出っ張りが強調され高い位置にあるのがわかる。
でも壁のハンガーに上着をかける時の後ろ姿が最高だった。
ウエストは細く絞られこれでもかという位広がった尻肉ははちきれそうだ。