カ-4
「さて。どうしようか」
ソファーに座って考える主任は会社とは別人で
こんな主任のプライベートに私が一緒にいるのは変な感じだ。
「朝一番で病院に行くとして
きちんとした検査は時間がかかるかもしれないな・・・
とにかく有給の連絡を入れるよ」
私の記憶の中の主任は有給をとったことがない。
へぇ。家族の病気の時には有休をとるんだ。
変なことに新しい発見をした気分になって
今の私って病気なのかな?
それとも、山本主任が有休を取るほどの症状ってこと?
そう考えながらぼんやりしていると主任のコーヒーに気が付いた。
「どうかしたか?」
コーヒーをじっと見つめる私を不安そうに見つめる。
「いえ。ブラックはいつやめたのかな?と思って」
主任のブラック好きは有名だった。
「あぁ。コーヒーか。そうだな。3年前かな」
「時間は確実に経っているんですね」
「・・・・」