寡黙になった転校生-1
【可憐な転校少女優衣】
【寡黙になった転校生】
「紹介するね。今日からこのクラスの仲間になった優衣さんです。みんな仲良くしてあげてね」
6年2組の担任、ミナミ先生が、傍らに恥ずかしそうに立つ転校生を紹介した。
「うわあ、可愛い」「お人形さんみたい」クラスのあちこちで、そんな声が上がった。
「こ、神戸から転校してきた優衣です。よ、よろしくお願いします」
クラスの注目を一身に集めた優衣は、緊張気味の顔をペコリと下げた。
「うふふ、緊張しなくていいのよ。このクラスはいい子ばかりだから、直ぐに仲良くなれるわ。じゃあ、誰か優衣ちゃんに聞きたいことはありますか?」
ミナミ先生が教壇の上からクラスを見渡した。
「はい、先生!」
利発でハキハキした雰囲気を漂わした女子が手を揚げた。
「うふふ、さすが学級委員ね。優衣ちゃん、この子は学級委員の莉乃ちゃんよ。困ったことがあったら何でも莉乃ちゃんに聞いたらいいわ。じゃあ、莉乃ちゃん、質問をどうぞ」
ミナミ先生は莉乃を指名した。
「学級委員の莉乃です。優衣ちゃん、よろしくね」
ハキハキとした明るさが可愛い子だった。
「は、はい。よろしくお願いします」
にっこり微笑む莉乃に、優衣はドギマギしながらペコリと頭を下げた。
「うふ、そんなに他人行儀にしないで。あたし達はもう友達なんだから」
「うん」
優しく接してくれる莉乃に、好感を持った優衣は、にっこりと微笑んで頷いた。
「で、優衣ちゃんに質問なんだけど、優衣ちゃんはもうオマンコに毛は生えてますか?」
「えっ?」
莉乃の唐突の質問に、優衣は一瞬何を聞かれたのかわからなかった。
「うふふ、莉乃ちゃん、優衣ちゃんは関西から来たのよ。それだったらわからないかもしれないよ。先週、社会の時間に教えたでしょ。思い出してみて」
ミナミ先生は、優しく莉乃を諭した。
「あっ、そっか。えーと、ボボは博多だったし、関西はメンチョ?あっ、オメコだっけ?」
「そう、関西はオメコよ」
莉乃の卑猥な方言の羅列にミナミ先生は頷いた。
「優衣ちゃんはオメコに毛は生えてますか?」
「ええっ!」
優衣は何かの間違いだと思って、横に立つミナミ先生を見上げた。するとミナミ先生はニコニコしながら、うんうんと頷いていた。
「いい質問よ。みんなが気になることを聞くなんて、さすが学級委員ね。じゃあ、優衣ちゃん、みんなに教えてあげて」
「えええっ!」
優衣は驚きの声をあげた。その優衣の反応を、ミナミ先生は違う意味で受け止めた。
「えっ?優衣ちゃんはオメコを知らないの?関西ではそう言うんでしょ」
「えっ?えっ?」
驚くことの連続で、優衣は聞かれたことに、まともに反応ができなかった。
「うそ!やっぱり知らないの?神戸は違うのかな?じゃあ、莉乃ちゃん、教えてあげて」
ミナミ先生は、優衣の知識不足に戸惑いながら、莉乃にそれを指示した。
「はい、先生」
莉乃はその場にすっくと立ち上がり、スカートの裾に手をかけると、躊躇せずにそれを捲り上げた。
「優衣ちゃん、オマンコってここよ。あたしはまだ生えてないけど、優衣ちゃんは生えてますか?」
優衣は目を見開いた。莉乃が示したそこは下着が穿かれておらず、初々しい割れ目がモロに見えていたからだ。さらに莉乃は、その部分がよくわかるように、片手でスカートを持ち上げたまま、割れ目の中に指を滑り込ませた。
「こ、ここよ…、この気持ちいいとこ…はぁ、はぁ」
莉乃の顔が上気し始めた。
「うふふ、相変わらずパイパンの可愛いオマンコね。どう?優衣ちゃん、オマンコが何かわかった?」
言葉は出ない。優衣はブルブルと首を左右に振った。その優衣の態度に、ミナミ先生はニヤリと笑った。
「ははあん、わかった。優衣ちゃんは生えてるのか。だったら心配しなくていいのよ。大丈夫、このクラスに限って、それで誰もからかったりしないから」
ミナミ先生が初めて高学年を受け持った時のことだった。毛深い女子がいじめにあったことがあったのだ。それを経験していたミナミ先生は、陰毛を指導の重心に据えた教育を心がけるようになったのだ。
「女体がエッチに成長してる証拠なんだから、恥ずかしがらなくていいのよ」
優衣は確かに生え始めていた。しかし、問題はそんなことではなかった。何故それを転校初日に、クラスメートに公表しないといけないのかだった。その答えが出せない優衣は固まったままだった。