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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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新しい父親-7

「そっかぁー。」

それからおばさんは定刻通り退院した、おばさんが不在の恐ろしい彼の家では風馬君が一人である程度こなしたそうだ、私の家に泊まらないか何なら一条君の家でもいいし、と誘ったけど。

「八重樫さんの事、信じれるようになったのね。」
「…まぁあんなの見せつけられちゃーね。」

思えばおばさんが病院に居る時八重樫さんにとっては少々不謹慎かもしれないがチャンスだったのかもしれない。ここで色々と慰めの言葉や全身全霊で面倒をみれば良いアピールにもなった筈なのに。

だが彼はあえて何もしなかった、というよりは離れて見守っていたらしく、どうやら彼自身も自分が彼に不安を与え避けられていてその理由も薄々察していたようで、故にあの場であれこれ世話したり適当な言葉を掛けるのは悪印象、いや彼を傷つけるだけど思い。

「でもまぁーこれからが本番だね、母さんまだ何か気になってるみたいだし。」

彼女の家に巴ちゃんと押しかけた時、何だか最初青ざめてたのが気になるが。

「…ってなんで若葉ちゃん、泣いてるの!?」
「だって、…これで風馬君より一層幸せになれるんだよ?私知ってるんだから君が未だに
街か何かで父親が子供を連れているのみて寂しそうにしてるの。」
「若葉ちゃん、そうだね。」

これで風馬君に正真正銘良い父親が出来て今よりもっと幸せになれるんだ!

神様、ありがとう。

次回、55話に続く。


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