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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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素敵な初詣-4

「正月から焼けるー♪」

彼女の家ではもうすでに一条君と伊吹さんがお邪魔していて、庭でおばさんと楽しそうに餅つきをしている。

「そうだねー、僕らもしちゃう?あっぶな!」
「よそ見してっと指の骨おれっぞ!」
「さぁもっと腰を入れて♪」

一方僕らは居間で若葉ちゃんが先程言った事を早速実行に移したそうで。

「ほっ?これはわしにか?」
「うん、お爺ちゃんには健康で長生きして欲しいし。」
「くぅーー、流石は我が孫!心優しいのぅ。」
「ううん、買おうって言いだしたの私じゃないよ。」
「ほぇ?」
「風馬君、彼がね…お爺ちゃんにって、私がお爺ちゃんの事で不安に思ってたの察してくれて、今考えたらこのお守り割と高値なのに、未成年の所持金からして。」

自分でやった事とは言え、少し恥ずかしいな。彼女が訳を話すと彼はエネルギッシュに大きな目で涙目にウルウルしてこっちを向き、大袈裟に抱きしめられ。

「ありがとー!なぁーてええ子なんや!」

急に大阪弁かい。

「…いやはやー、やっぱわしの目に狂いはなかったよー。」
「んもぅーお爺ちゃんってはしゃぎすぎー。」
「なぁーにを言うかぁー……。」

クールダウンして、不意に視線を床に下ろし。

「……そう、だな。諦めるもんじゃーないよな。」
「お爺ちゃん?」
「?」

深刻そうな顔で顔をあげず。

「…あの。」
「っ!あー何てな!ジョークじゃジョーク♪親父ギャグってか!」
「んもぅー脅かさないでよー。」
「うしっ素敵な思いもした訳だし、ちとお礼もせんとな。」

すると正月恒例のお年玉をポケットから取り出し僕らに手渡し。

「ありがとうー。」
「あっすいません僕まで。」
「なんのなんのー、君とこれの結婚式を拝むまでは三途の川は渡れんからの!」

それから庭へ向かい三人にも渡し、突きたての餅で食事をし、その後はカルタで盛り上がり楽しい年始を迎えた。

若葉ちゃん、これからも宜しくね。

次回、54話に続く。


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