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circle sky
【青春 恋愛小説】

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circle sky-3

ねえ、それでも君は僕を受け入れてくれる?
円形の空を失った僕を。

「あの雲、バナナみたいだね」
「本当だ」
僕たちは公園の芝生の上に寝転んで、空を見ている。二人並んで、同じ空を見ている。
「ねえ、ミキ」と僕は言う。初めて彼女に愛を告白した、あの時と似た様な気分で。
「何?」
「僕の事は、今も変わらず好きですか?」
「当たり前」
「本当?」
「あのね、世界で一番大好きな人なんだよ? 簡単に変わる訳ないじゃない」
「そうだね」
「そうでしょ?」ミキは小さく笑う。
「僕は変わったかな?」
「全然」
「変わったと思うけど…」
「それは、ピアスの事を言っているの?」
「例えば、それとか」
「どうして?」
「だって、ミキは言ってたじゃないか。あのピアスホールは特別だって。そこから見る空が好きだって」
「一緒に見る空は特別だよ。ジンちゃんがいて、アタシがいて。ジンちゃんはアタシの事、好き?」
「大好きだよ」
「それって、特別でしょ?」

それって、特別だ。

僕は、きっと今、微笑んでいる。今にも泣いちゃうくらい、微笑んでいる。
「ねえ、ミキ。もう一回言って」
「ジンちゃん大好き」
「もうちょっと、ランク上げて」
「ジンちゃん、世界で一番大好き」

僕が世界で一番大好きな君は、世界で一番僕が大好き。
それが確かな浮力となる。僕はまだ泳いで行ける。明日も、明後日も、その次の日も。 変わり行く僕を君は受け入れてくれる。変わり行く君を、僕は受け入れていく。

僕を変えてしまった巨大な川を、僕は君と二人で泳ぎ切る。

「ねえ、ミキ」
「何?」
「僕は君が、世界で一番大好きだ」


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