Girl Meets Devil 〜そのX〜-2
「どしたの?不安そうな顔をして?……ははあ〜ん、わかった。さては、恭夜君をとられると思ったんでしょ〜♪」
ドキッ…
「そ、そんなことないよ。」
「目が泳いでる。いいよ、心配しなくても。私は恭夜君は狙ってないから♪」
ほっ……って何、私は安心してんの?
「でも、告るなら早くした方がいいよ。一緒に住んでるから今のところ恭夜君の彼女に一番近いけど、ライバルはかなりいるんだからね!」
「だから、違うって…」
その後、男子は勝って決勝に駒を進めた。決勝は昼休みを挟んで行われる。
「茜、飯にしよう。」
「うん、いいよ。」
「野球と言うものはなかなか楽しいな!」
「決勝、勝ってよね?」
「言われなくとも。…それより、さっきから後ろが気になるみたいだが何かあるのか?」
「ううん!別に何でも無いし、何にも無いよ!」
これはもちろん嘘。恭夜の後ろ側にある柱には明希を含めクラスの仲がいい友達、3人が身体を押し合い、隠れている。
そして明希は何やら私に向かってサインを送っている……
『は・や・く・わ・た・せ』
明希の口が動く…
明希が渡せと言っている物…それは女子が秘密裏に製作したお守りである。
お守りと言っても、小さな人形で私は恭夜の分を作った。
と言うか作らされた……
早く渡せって……何か緊張して渡せないんだよぉ〜……
くそぅ、明希の奴人事だと思って…
「じゃあ、俺はそろそろ行くぞ。」
「あ、ちょっと待って!…恭夜…コレ…」
ドキドキする心臓を押さえ、お守りを手渡す。
「何だコレは?……人形?……そうか!コレで相手を呪えということか!」
ズルッ……
そんなマジな顔して言うなよ……
「そうなんだろ?」
「違うよ…それはお守り…」
「違うのか?かなり不器用な人形だったから…」
いいよ、どうせ不器用ですよ!
「すまん…ありがとうな。」
今更何言ってんの。
「どうしたら許してくれる?」
許さないから何にもしなくていい。
「仕方ないな…」
「何が仕方ないんだ…んん!」
私が言い終わらないうちに恭夜が唇を重ねてきた!