Girl Meets Devil ～そのⅤ～-1
空は快晴、雲一つ無く澄み渡っている…
まだ、六月の始めだというのに太陽は夏が待ちきれないようで、今日は無茶苦茶暑い！
本日は、我が聖蓮学園が誇る？三大行事の一つ【球技大会】である。
普通の高校ならば、それなりに盛り上がりクラスの絆が強まるといった行事であるが、この学園はそうではない！
この球技大会が始まる何週間も前から学園は異様な熱気に包まれている……
理由は一つ…
そう、優勝賞品である！
この球技大会は男子が野球、女子がバレーボールへと別れ、一年から三年までの全２１クラスが入り乱れて優勝を目指すのだか、その優勝した副賞としてついてくるのが一学期の【体育の単位】と【某焼肉店の食事券】なのである。
ちなみに、二学期に行われる体育祭でも賞品が出るらしい。
改めて思う。この学校、無茶苦茶だ！
でも、賞品が出るとなるとみんなやる気を出すわけで、かく言う私も体育の単位は欲しいし、焼肉も食べたい！って言うか、一食分の食事代を浮かせたい！
そのためこの何週間か早起きをして特訓をした結果、男女ともに我がクラスは優勝を狙える位置にいる。
こうなったら、早起きした分何がなんでも焼肉を喰ってやる！
そうこうしてる間に理事長の挨拶やらなんやらも終わり、ついに単位と焼肉を賭けた熱き戦いが始まるのだ……
試合が始まり、あちらこちらから、ボールを弾く音と熱の籠った応援が聞こえてくる。
結果から言おう。
私たちのバレーは途中までは順調に勝ち進んだものの、準決勝で敗れ惜しくも３位という結果だった。
私はと言うと足を引っ張らなかったかわりに活躍もしなかった……
仕方ない…後は男子の野球に任せよう。
「明希、男子はどう？」
「うん。勝ってるよ！特に、恭夜君がカッコいいんだぁ……さっきもねレフトからホームまでの矢のような返球！野球部員も真っ青だよ！まるで人間じゃないみたい！」
まあ…悪魔だしね……
それにしても、明希はいつもよりテンションが２割り増しくらい高いなぁ……
まさか、恭夜のことが好きなんじゃ…………