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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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二度目の聖夜-2

「では各班テーブルについてー!」

この日は調理実習でエプロンを身に纏い皆でお菓子を作る事に。

「じゃ!張り切っていくか!」
「あたるさぁー料理何て出来る訳?」
「あったり前じゃん!普段から半強制的に食事作ってるし。」

四人一組で、私の立つテーブルで騒ぐ男女三人。

「今回作るのはお菓子だよー、サッカー得意な人が野球得意とは限らないと同じ。」
「るっせーよ蓮!やるったらやるんだよ!」
「……。」

ここでも私はかやの外、私をまるで空気のように無視して調理に取り掛かる。

「にしてもお菓子ったって何作るんだよ?」
「なんでも良いみたいだよー、スイーツなら。」

私は真っ先にドーナツを思い浮かべるもそれを口にする事何て出来ず。

「ケーキ!」
「クッキー!」
「チョコレート!」

それぞれ皆勝手な事を言い、盛り上がる。

「ここはスポンジケーキで手を打とう。」
「何よーそれ。」
「でも他もそうしてるみたいだし、材料があまりないんだよ、種類が。」
「んもぅ、何でも良いって言っておいてー、まっいいか!」

驚くことに、というか当然か、私には何も聞いてくれず、三人で話を進めてしまい、まぁこの三人からしたら私の存在なんてどうでもいいわけだし…。

「ほらっ油はねる。」
「小麦粉ってこのくらい?」

自分から話しかけない私も悪いけど、ここまでくると流石に胸が締め付けられる。

調理中もほとんど手を貸さないでいて、たまに声を掛けられたとしても「ちょっとよけてくれる?」「油はねるから気をつけて」と、別に邪険にされるでもなく、かと言って優しく接してくれるわけでもなく。

完成したケーキも一瞬の如く私の皿に置いただけで、また三人で談笑しだし。

「美味しい?」
「っ!!あっ、は。」
「てゆーかこれ甘すぎ!」
「誰だよ砂糖入れ過ぎたの…。」
「お前だよーあはははは♪」

やっとそれも気まぐれで声を掛けてくれてもこのありさま。

私はこの場がもう耐えきれず部屋を飛び出す、けどその事に気を留める者は誰も居ず。


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