終演-2
月曜日が来るとホッとする自分がいる
順一に拘束されているわけではないが
自由を感じるようになっていた
「あなたに抱かれていると幸せでした」
最近では飯塚がセリフを教え込む事も少なくなった
ベットルームで飯塚と彩香が涼子を攻めあげていた
快感に喘ぐ声が何時間も続いている
飯塚から後ろから貫かれ、彩香と唇を合わせる
「あああっいつまでもこうして抱かれたい」
イキ続けぐったりとする涼子に優しく彩香の愛撫が繰り返される
一ヶ月ほど前に順一の海外赴任が決まった
さすがに海外ともなると単身赴任というわけにはいかない
順一は赴任に当たってこのマンションは借り続けることにしていた
現地では家具付の家が準備されているがここにある自分たちの家具を処分するわけにもいかなかった
「そうですか、それは大変ですね」
飯塚がなに食わぬ顔で順一の話を聞いている
「わかりました、事情が事情ですから当店としても家賃をサービスさせてもらいますよ」
「本当ですか?それは助かります」
赴任する準備もあり明日には順一が帰ってくる
今日が浩二城と最後の日になっていた
「証明する事はできないが記録は全て消去した」
涼子はとくに反応しない
愛撫をしながら指輪を抜こうとすると
手を握り邪魔をする
「これは、」
「こういう遊びは、一生は続かない、本物に付け替えるんだ」
無理やり取り替えられた指輪を、再び無理やり取り替えられた
こんな関係になるとは涼子も思ってなかった
関係が終わるときとはあっけないモノである
「年に一度は帰ってきます」
「俺がおとなしく待ってるとでも思ってるのか?」
「また、次の女の人を」
「当たり前だ、帰ってきたときは紹介してやるよ」
「離れていても私は順一さんの女です」
新しい彼女を作ると何の未練も感じていないように言われ涼子は嫉妬した
「離れていたら役に立たないだろう?」
めんどくさそうに寄り添った身体を突き放され二人は帰っていった
日本を後にしたのはそれから数日後のことだった