堕ちていく身体-1
◇
「ああっ……せ、先生……、も、もう我慢できな……」
「まだだ」
「あんっ、あ、ああっ……!」
そう言って芦屋は、友美がイキそうになる寸前で、遠隔式のバイブのリモコンを止める。
すると、
「あ……」
と、彼女は明らかに落胆の色を覗かせる。
そんな姿を見ると、芦屋はゾクゾクと鳥肌が立ってくる。
友美の両手は赤い縄で後ろ手に拘束されており、その両脚も芦屋のオフィスチェアの肘掛けにそれぞれ乗せられる形。
すなわち脚を開いた状態で拘束されている。
それでいて局部はバイブをしっかり咥え込んでいる、そんな淫らな姿をまだ中学生の少女がしていると思うと、背徳感もあって、たまらなく興奮してくるのだった。
ハアハアと息を弾ませながらグッタリ項垂れる友美は、恐らく限界に達しているのかもしれない。
(……そろそろか)
芦屋は少し離れた所に設置されている、決して役に立つとは思えない応接セットのソファーに腰掛けながら、リモコンを持つ手に力を込めたーー。
友美と芦屋が体育教官室で一線を越えてから始まった、秘密の関係。
あれから二人はもう何度も身体を重ねてきた。
最初の内は人目が気になっていた芦屋だったが、何度も友美を抱いている内に、そのフレッシュな肉体と、淫らな事をすればするほど喜ぶ彼女の反応にいつしかのめり込んでいた。
自分のテリトリーである体育教官室に鳴り響く、友美の嬌声。
早朝なら体育館に足を運ぶ人間も、ましてやこの体育教官室なんて、訪れる人間はいない。
専ら二人がセックスに勤しむのは、こんな何気無い平日の、爽やかな朝であった。
「相馬、俺の椅子が汚れてるんだが、どういうことだ?」
友美の小さな顎を持ち上げると、羞恥と怯えの入り混る大きな瞳が芦屋を見つめた。
「すいません……もう、もう……自分で自分を抑えられなくて……」
クッと下唇を噛んで目をそらすその姿もまた、愛おしい。
友美が身体を少し動かせば、縄の軋む音が静かな教官室に響いた。