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【学園物 官能小説】

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秘密の生徒指導-4

でも、それが無駄だって言うのは、そこに居合わせた生徒はもちろん、河井もわかっていた。


案の定、


「放課後、生徒指導室にこい」


河井の必死の訴えは、芦屋の低い声に掻き消されるだけだった。






「ひどい、何アイツ!!」


芦屋がその場を立ち去ってから、河井の友達が一斉に駆け寄っていく。


ハラハラと涙をこぼしながらその場に崩れ落ちる河井を囲むように、周りはギャーギャーと芦屋の文句を言っていた。


この位の若い子らにとって、スマホはおそらく財布よりも大切なもの。


それを没収されるのは身を切られるより辛いものだろう。


でも、彼女の友人らが面と向かって芦屋に抗議できなかったのは、やはり彼が怖いから。


だからせめてもの抵抗として、


「ホント、芦屋ってサイテー」


「自分が30歳にもなって彼女すらいないからって、まどかのこと妬んでるんだよ」


などと、彼女らなりに河井を慰めていた。


友美は、そんな彼女らを横目に、職員室に向かおうとした足を止めた。


河井の友人が言っていた、「30歳にもなって彼女すらいない」という言葉を反芻する。


(芦屋先生……)


見た目からしていかつい風貌だから、生徒から近寄りがたいオーラを放っている。


筋肉隆々とした腕や厚い胸板。


野球部顧問をしているけれど、柔道の有段者でもあるらしい彼に歯向かう生徒は誰もいない。


だから、この学校の生徒は誰もがみんな、できるものなら芦屋と関わりたくないと思っているに違いない。


……友美を除いて。


河井を怒鳴りつけているあの張り詰めた空気の中、別のことを考えていたのは、おそらく友美一人に違いなかった。


あのたくましい身体に抱かれたら、どうなってしまうのだろう、と。


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