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SM学園・行事幕間
【学園物 官能小説】

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第17話 研修、調理器具として-1

〜 海合宿 ・ 29番、調理器具として 〜



 第2研修室。 ここでは『調理師養成専門学校』の1回生合宿の一貫として、素材に関する座学講習が設けられていた。 ホワイトボードには雑多な食材が描かれ、それぞれについて成分、原産地、熱耐性、芳香、原価等、細かい情報が所狭しと列挙してある。 カラーペンを握った指導員は、早口でまくしたてながらホワイトボードに新たな情報を描きこんだと思うと、すぐに古い情報を消してしまう。 その猛烈なスピードに取り残されまいとして、椅子に座る面々もまた、必死の形相でノートをとっている。 

 模範的な授業風景。

 けれど、よくよく見れば違和感には事欠かなかった。

 研修室の後ろ。 現在前に立って指導しているタイトスーツの女性とは別に、若干年配でボブカットの女性指導員が生徒の様子を睥睨している。 彼女は肌色の椅子――正確に描写すれば、全裸の少女が嵌めこまれた椅子――に腰を下ろしていた。 少女は両手両足を床につき、顔だけを真上に向け、その上で顔に便座のような枠がはまっている。 その枠を椅子の座位として四隅から足が伸び、背もたれがついていた。 ボブカットの女性は、容赦なく豊満なお尻を椅子に載せて腰かけていて、つまり、少女の顔はすっぽりお尻の割れ目に嵌っている。 少女の手足が小刻みに震えているのは、決して顔を椅子にされている口惜しさが所以ではない。 あれだけお尻を密着されては、十分に息ができるはずがなかった。 僅かな尻肉と肛門の狭間を通う空気を、汚物の香りが充満した酸素を吸うために、懸命に横隔膜を上下させている。 それでも酸素が不足して、苦しさのあまり震えている。 そんな振動が伝わらないはずがないのに、けれどボブカットの女性は顔色一つ変えはしない。 まるで自分がお尻で蹂躙している少女が、少女ではなく本物の椅子と思っているかのようだった。

 研修室の前。 大量の食材――エビ、貝、魚、肉、果物、ライス、エトセトラ――がトレイに詰まれている。 指導員の女性は講義に合わせて食材をとり、弾性や色合いを実地に説明した。 そうしておいて説明を終えると、その都度傍らに控えた全裸の少女に近づく。 目を閉じた少女は滑稽なほど大きく口をあけており、赤味を帯びた咽喉の奥まで丸見えだった。 

 女性の手には、長時間放置されてグッタリした、それでも微かに息のある白く細長い物体がぶら下がっていた。 スルメイカだ。 何の加熱も調理もしていないスルメイカを摘まみ、無造作に少女のぽっかり開いた口に落とす。 少女はビクンと震えたと思うと、グッ、ゴクリと喉を嚥下させる。 イカは僅かにのたうつも、抵抗むなしく少女の喉の奥へと消えた。 こんもり盛りあがった首筋が蠕動し、その様子はイカの造詣に見えなくもない。 一瞬口を閉じ、ンッと声を殺して呻く。 続いて身体をブルッと振動させると、何事もなかったように再び口をこれ以上無い程に広げるのだ。 
  イカの前は、レバーの切り身。 その前は洋梨。 そのまた前は毛が生えたままの里芋。 次々に強制的に与えられる生の食材を納め続けた結果、少女のお腹はパンパンだった。

 研修室の横、食材が載ったトレイの隣。 仰向けになってシミ1つない裸体を晒す少女がいた。 
 食材を説明する際、指導員は時に捌き、時に切り分け、適切な大きさに揃えてから説明する。 まな板をはじめ、当然食材を調理する諸々の道具が必要になる。 そういった調理用具を代用するため、少女は静かに横たわっていた。

 例えば口は、ピーラーがついた箝口具を咥えている。 イモ類を口に擦りつけられると、向いた皮を食べながら、ピカピカの具材へと昇華させる。 例えば鼻は、細かい毛・鱗をとる刷毛がわりだ。 甲殻類の脚や小さい魚類が鼻の穴を出入りして、表面の余分なものをこそぎ落とす。 乳房には摺り鉦(すりおろし)を被せられている。 野菜や果物を押しつけられつつ、乳房の上からこね回されて、細かくすりおろす寸法だ。 乳首はというと両方に密着した搾乳機が唸りをあげれば乳腺が迸り、食材を潤すためのお乳がでる。 膣には塩が刷り込まれ、尿道には醤が仕込まれ、食材の簡単な味付けもできる塩梅だ。 ギュッと搾って水気をきりたい場合は肛門が待っている。 例えば拡張された肛門にライムを捻じ込めば、きゅぽんと咥えた直後に菊が窄まり、たちまち搾りきった汁と残滓が排泄させるという仕組みだ。 まな板代わりに固めた腹筋の上では何度も包丁が上下し、皮1枚隔てた食材を仮借なく刃物が両断して、それでも少女は懸命にジッと動かず耐えている。 表情には恐怖の色は全くない。 ただ、額から滝のように流れる汗が、内心の葛藤を如実にしていた。

 『椅子』にされた2番、『食材の廃棄場所』となった22番、そして『調理台』を勤めさせられている29番。 3名の少女を連れていったのは『調理師』を養成する専門学校の指導員だ。 胸に煌めく『Bランク』のバッジを見るまでもなく、フォーマルな装いをしている時点で社会人としての格が伺える。 上位に位置する者は、下位に対して絶対的な権力を持つ――所属が『学園』と『専門学校
』という異なるカテゴリであったとしても、ランクの序列は絶対だ。



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