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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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無謀な決断-10

結局のところなんだったんだろう…、赤ちゃんが出来るって皆でワクワクしてたらこんな
希望、そして絶望をハイスピードで味わった、そんな感覚…。

家では何事もなかったかのようにお爺ちゃんは営業の準備に勤しんでいる、けどどこか力なく見える。

そんな彼に「ほらっ!今日も常連さんが来るんじゃない!」と励ます母、そのトーンはやはり暗く。

「おはよう!」

入り口から聞こえる聞きなれた声、元気なく顔をあげるとそこにいつもと変わらない明るく無邪気な笑顔の風馬君が。

母と彼がお互い明るい声で挨拶を交わし、それから私の元へ駆け寄り、普段通り一緒に登校しようと持ち掛け。

周りは何事もないように人が通り、天気も昨日の私をあざ笑うようにふわふわと青空を雲が泳ぎ。

聞くと彼の母親も暫くは落胆し、彼自身も自分を責め、軽い親子喧嘩となったが。

でも、でもっ!それらは全て私のせいだっ!

口じゃ分かってても、過去は変えられなくても、それでも!!

「風馬君、本当に…。」

耐えきれず彼の口を開くと。

「っ!」

弱弱しく震える私の手を握り、優しい笑顔で言う。

「やっぱ、早すぎたんだよ。」
「……。」

全ての過ちを清算し流すようにそう言い、切り替えて欲しいと言わんばかりに私の腕を引っ張り学校へ。

「若葉ー!」

彼と同じ気持ちに達した巴ちゃん達が手を振る。

次回、52話に続く。


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