第11話 模擬エスコートC-5
他にも『手芸愛好会』――クリトリス用の指編カバーや乳首用のラバーブラを展示――や『クイズ研究会』――牝に関する雑学、奇問難問を用意――といった展示系のクラブハウスを眺めていると、時間はあっというまに過ぎてしまいます。 そろそろ文化部棟の片方、実技系を見に行く頃合いといえましょう。 ということで、【A2番】先輩に引かれて次の棟へ移動しました。
1棟目の文化部棟を去り際、入口で『看板役』をしていたCグループ生がフラッとよろめき、倒れました。 熱さにやられたんでしょうか、それとも体調不良でしょうか、顔が真っ赤になっています。 一瞬【A2番】先輩を見つめましたが、先輩は特に何もしようとしません。 どうしよう、私が介抱するべきだろうか、でも今の私は案内の練習中で、勝手な行動をすれば叱られるに決まっていて――なんて逡巡したのはほんのわずかの間でした。 Cグループ生が倒れてから1分もしないうちに、『保健委員』の腕章をつけた2人組がやってきます。 【Bグループ】の先輩に連れられて走ってきた【Cグループ生】の保健委員――脚の痣に見覚えがあって、多分、私達のクラスメイトの【13番】さんです――は、手を脇に付けた状態で胴から頭までラバースーツにパッケージされた、まるでミイラみたいな装いでした。 上半身と対照的に下半身は剝きだしで、ミイラから足が生えたみたいです。
Bグループ生の保健委員は、保健委員の【13番】さんの首輪をひっぱりながら、すばやく倒れた生徒に駆け寄ります。 と、【13番】さんに生徒を跨がせ、オマンコを倒れた生徒の額に当てさせました。 ピッ、機械音と共に【13番】さんが『37度5分』とくぐもった声をあげます。 なるほど、おまんこで温度を計る練習って、こういう場面で成果を発揮するんですか……勉強になります。
続いてお尻の割れ目で腕を挟むと、くぐもった声で『血圧』を教える【13番】さん。 手をオマンコにフィストファックしたかと思うと、キュッとお股を締めて『脈拍』を数えます。 生体機器として、しっかり倒れた生徒をモニターしていました。 一通り状況を把握したところで【Bグループ】の先輩が出した結論は『熱射病』――まあ、一目見た時から大体分かってましたけど――でした。 上半身をギチギチに拘束されたままがに股をつくった【13番】さんのオマンコに、栄養剤と思しき錠剤を押し込みます。 そして【13番】さんはオマンコを倒れた生徒の顔に、ギュムッ、密着するまで押しつけました。 そうしておいて、プシャッ、半開きになった口へオシッコと一緒に錠剤を流しこみます。 倒れた生徒は当然噎せますが、吐きだす余裕は与えません。 全身をつかって押し倒すように、跨ったオマンコでもってグイグイ地面に押しつけます。 まるで生徒の顔で自慰に耽っているかのように、激しく力強いグラインドでした。
やがて、錠剤が功を奏したのでしょうか、【13番】さんが股座(またぐら)を顔から離します。 併せて生徒がフラフラと起きあがりました。 Bグループの先輩が二言三言注意すると、立ち上がった生徒が再び『看板役』に戻ります。 倒れても、回復したらすぐに元の役目に戻る。 休ませてなんかもらえない――厳しいですが学園では当たり前のことですね。 そんな様子を見届けてから、所在なげに佇むグルグル巻きの【13番】さんを伴って、保健委員の先輩は立ち去りました。 なるほど、生徒会の保健委員は、意識を失ったりして不如意になった生徒をフォローしているんですね。 そう考えると、どの生徒会も裏でしっかり働いてるんだってことが良く分かります。
【A2番】先輩と校内に繰り出してから、はや2時間半が経過しました。 学園祭の前日とはいえ、無制限に校内で準備できるわけもなく、夕食までには寮に戻らなくてはなりません。 帰宅時間が迫るにつれて、パタパタと廊下を忙(せわ)しく駆け回る影が増えてきます。
私たちが見ていない展示は、残すところ『実技系』と『メイン展示』になります。 『メイン展示』は、つまり、クラスメイトのみんなと頑張って作り上げた『清流噴水』です。 前回の生徒会チェックでは惨憺たる評価でした……ですが、あの辛辣なコメントがあったればこそ、気持ちを一新することが出来たと思います。 生まれ変わったC−2組の演技……【A2番】先輩の目にはどんな風に映るんでしょうか。
『実技系』の下見が済めば、クラブハウスにはもう用はありません。 メイン展示の舞台でもある第1グラウンドへ、【A2番】先輩にリードをひかれて歩いてゆくことでしょう。 早くみたいような、一方では見たくないような……矛盾は私の親友なんです。 夕暮れが迫る学園下足棟。 ドクン、ドクン、勢いを増す拍動に押されるように、前のめり気味になっている私がいました。