スープ-1
それからちづるが泣き止むと、
2人はちづるの部屋に入る。
タクミが、
ソファーの上の掛け布団を見て言う。
「あ、寝てたんだっけ?」
「 ぁ、、うん。」
「もういいの? 具合は、」
「うん、、。
ちょっと昨日、
熱でちゃったんだけど。
もう下がったから大丈夫だよ。」
ちづるは、
そう話ながら掛け布団を畳み、
寝室に持っていく。
寝室からちづるが話しかける。
「あ、、今日、先にお風呂でいい?
私、さっきちょっと食べちゃって、、」
「うん。」
「じゃあ、お風呂の準備するね!
今日の夕飯は、
スープ作ったんだ〜
手羽先の 」
それからちづるは、
お風呂の用意をして先にちづるが入る。
それからタクミが入ると、
2人はいつものように部屋着で
夕飯を食べ始めた。
ちづるがテレビを観て言う。
「あ、 この2人知ってる?
こないだお笑いの、、
コントの大会で優勝したんだよ!」
「あーぁ、知ってる。」
「仕事だったから観れなくて。
録画してたから後で観たんだけど
面白かったよ〜」
「そーなんだ〜。」
「後で観る?
なんかね、
全体的に皆ねぇ
面白かったな〜」
「ちづちゃん、
何気にお笑い好きだよね。」
ご飯を食べながら、
ちづるは
テレビの話をずっとしていた。
食べ終わり、皿洗いをする。
その間タクミは、
ちづるに薦められたお笑い番組を
観ていた。
皿洗いが終わると
ちづるは「お布団ひいてくるね」
と言い寝室に行った。
タクミは、
録画のお笑い番組が終わると
リモコンを持ち、
チャンネルを回す。
時計を見ると10:30だ。
夜のニュース番組を観る。
ニュースでは、
ある事件が報道されている。
東京都のあるアパートで、
若い男が同棲していた女を
刃物で背中を刺した、
というものだった。
「 、 、 、 、、。」
ニュースを聞いていると
別れ話をされた男が
相手の女に腹を立て、
という内容の事件だった。
『幸い、刺された女性は
命に別状はなく、、』
と男性キャスターが
現場付近で原稿を読んでいる。
ニュースを観ていると、
なんとなくその男に同情している
自分がいる。
「、 、 、、 幸い ねぇ。」
人を刺しちゃう気持ちなんて
今まで 分からなかった
『 〜っ、、 ふっ、 っ
タクミくん
ごめ 〜っ、、 なさい 』
きっと あれは
ちづちゃんの
本心だったと思うけど
でも
俺は
『、 、、っ 俺も
ごめん。 』
ああ言ったのは ただ
別れたくなかったから だけで
「 っ はーーー、、、 」
胸の つかえは
取れない
、 、 、、、。
知可子さんに
バレちゃった か、、。
なんで俺
あん時ドア 開けたんだろ
知可子さんは これから
ちづちゃんの事 心配して
色々アドバイスとか
すんのかな
、 、 、 、、、。
なんか
知可子さん
「、 、 、、邪魔かも。」
タクミは静かに呟くと
ため息をついた。