投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

「夏の出来事 5」の最初へ 「夏の出来事 5」 350 「夏の出来事 5」 352 「夏の出来事 5」の最後へ

スープ-2

タクミはニュースを眺めながら
考えていた。
しばらくして、テレビを消し
部屋の電気も消した。
寝室に向かう。

寝室で、
ちづるはまだ電気を消しておらず、
布団の中でうつ伏せになり
本を読んでいる。

タクミに気がつくとハッとして
本にしおりを挟みパタンと閉じる。

タクミはいつものように
ちづるの隣に入ろうとする。

ちづるが言う。

「ぁ、、。 今日ねぇ。
知可子、プリン
  持ってきてくれたの。」

「んーー? そーなんだ。」

「駅前の所の、、
新しく出来たお店なんだよ。
タクミ君知ってる?」

「 んーー? ううん、 」

    ? 
 
   なんか ちづちゃん

         ? 


「そっかぁ。
男の人はお菓子屋さんなんて、
あんま見ないかなぁ。
 でね? プリン
 凄く美味しかったよ。
 今度タクミ君のも買ってくる!」

「、 、 、、うん。」

    あ、 。


「、 、、でも、あれだよね。
昨日も今日も寝てただけなのに。
 それで甘いもの食べてたら、、。
 太っちゃうかも。 ふふっ 」


「 、 、、。」


「 ? どうしたの?」



タクミは、布団の中で
横になりながら手で頭を支え起こし
うつ伏せでお喋りをしていた
ちづるをじっと見る。

夕飯の時から、
ちづるに対して小さな違和感を
感じていた。

今やっと、その理由が見つかる。

ちづるは
本人も気がついていないが、
少し無理をして喋り続けているように
感じた。

もともとのちづるの性格は
自分が喋る以上に、
相手の話を聞いて楽しむ人だと、
タクミにはもう分かっていた。

タクミは少し考える。

喧嘩をしてしまった事。

それが、こんな形で
ちづるに気を使わせている。


「、 、 、、。」


「タクミ君?」

「、、、んーー?」 

「、?  ぁ、、。
もしかして、タクミ君も
 あんまり寝てない?」

「 え?」

「夜はっ! 
寝るためにあるのデス。
 明日の為にーー。
 寝よっか。 」

「 、 、、。」

「消すねぇ。おやすみ っ」


ちづるはリモコンを持ち
電気を消した。

豆電球になった。

タクミは、
さっきの体勢のまま、
仰向けになり目を閉じたちづるを
じっと見て言う。

「、 、、。
  俺、まだ眠くないけど?」

「 ぇーー?
いつも寝るのと同じ時間だよ?」

「、、。
 寝れなかったの?」

「 ぇ? 」

「今、タクミ君も、って。
 言ったから、、。」

「 、、ぇーー?私?
 言ったっけ?」

「言ったよ。
 、、ちづちゃん、
寝れなかったんだ。」

「、んーー、、。 少し。」

「 そう。
、 、、。 
ねぇ、さっきニュースでさぁ。」

「 ぅん?」


ちづるは
仰向けで目を瞑りながら
タクミの声に耳を傾けている。

「若い男が、同棲中の女の子を
刺しちゃったんだって。
 ここから結構、近い所だったよ。」

「 っ ぇーーー?
    怖いねぇ。」

「うん。 
、、、別れ話のもつれ、だって。」

「 そっか。」

「、、、。

 ちづちゃんは さぁ。
もし、、浮気されたら、、。
 恋人の男と、浮気相手の女。
 どっちを刺すと思う?」

「、 ぇ? 」


ちづるは思わず目を開けた。
タクミがじっと見ている。

ちづるが言う。

「、、、ふふっ 
怖い事言わないでよ。」

「 、、 俺は、 ね。
 俺だったら、、、。
 恋人の女を、刺すと思う。」

「、 、 、、、。」

「相手の男なんて、、
どーでもいいかも。
 間違いなく、恋人を責める。」


「 、 、、そっ か。」


「、 、、ところで、さぁ。」


「 ! んっ ? 、 、、」


「夏の出来事 5」の最初へ 「夏の出来事 5」 350 「夏の出来事 5」 352 「夏の出来事 5」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前