来客-6
2人が沈黙した後、
知可子は呟く。
「まぁ、そりゃあ、、。
そうよね。」
「、 、 、、はい。」
「 っ はーーー。
なるほど ね、、、。」
いい大人が
彼女の事を
他の男が送っただけで
なんで 怒るの?
って思ったけど
大人じゃ なかったのね
「俺、、。
気をつけます。」
「 え?」
「これからは、
泣かさないように、、。」
「 ! 、 、、。」
知可子は少し驚いてタクミを
見つめる。
少しだけ微笑んで
「そうだね。そうしてあげて。」
と言い、その場を去った。
タクミは、
知可子が見えなくなるまで
見送った。
その後に、
市営住宅のちづるの家の2階を眺める。
気持ちを改め、
少し深呼吸してから
急ぎ足で階段を登った。
玄関を開けると、
ちづるは居た。
廊下の玄関口に立っていて
タクミを待っていた。
潤んだ目でタクミを見つめる。
タクミは、靴も脱がずに
ちづるの腕を引っ張り、
自分の身体にちづるを引き寄せて
抱きしめた。
ちづるは泣きながら、
タクミの胸で呟く。
「〜っ、、 ふっ、 っ
タクミくん
ごめ 〜っ、、 なさい 」
「、 、、っ 俺も
ごめん。 」
「〜っ、、 っ
ぅ″ーー 〜っ、ふっ ぅ 」
「、、、。
知可子さんに、
バレちゃったよ? 」
「〜っ、 んっ、、 ぅん 」
「ちづちゃんが、、
泣かなかったら
バレなかったのに。」
「んっ、 、
ふぅ 〜っ うん 」
「ほんとーさぁ、、。
器用じゃないよね。
、、って、 俺も か?」
「 〜っ、 、っ
んっ 」
タクミ君
あったかい
戻って きてくれた
2人はしばらく
その場で抱きしめあっていた。
ちづるは、
なかなか泣き止まない。
涙を止めてあげたくて
タクミはちづるの背中を擦ったが、
その行為がまた、
ちづるを泣かせた。