来客-2
知可子は少し変な顔をした後、
スープの入った器を持つと
木のスプーンですべてそれを
口に流し込む。
モグモグと噛んで
ごっくん、と、飲み込み
ふーっとため息をついた後
小さく呟く。
「 ちっ ちゃ。」
「 ぇ?」
「言っちゃ悪いけどー。
その、ちづるの彼。
ちっちゃくない?」
「 ! 」
「普通さー、そんな事で怒る?
夜道危ないから
送ってもらっただけじゃん。
職場の人も、酔いざましに
散歩したかっただけって、、
伝えたんでしょ? 」
「、 、 、、うん。」
「ねー。 大丈夫なの?
その彼。 」
「、、え?」
「アタシ、もう嫌だからね?
前みたいな、、ストーカー事件。」
「 っ! そんな、 !」
「ちょっと、危うくなーい?」
「全然っ! 危うくないよ!
彼は、 そんな事 しないっ」
「うーん。 そーかなーー?」
知可子は
コーヒーを持ち、
遠い目をしている。
ちづるが言う。
「彼は、、凄く優しくて。
いつも 〜っ
私に気を使ってくれるし 」
「そりゃ、皆そんなもんでしょ。」
「! 〜っ でも、
私、、一応、結婚してるでしょ?
そういうのも、もしかしたら
ストレスに、、
なってたと思うし、 」
「 うーーん、、 」
「私もっ、、 最初は
浮気相手だったけど、 でも、」
「 は!!?」
「 、 え?」
「 っ ちょっと待って!
浮気相手だったの!?
ちづるが!?? 」
「 ん、 、、うん。」
「、 、、。
相手、本当、、。
何者よ。 」
「 え? ? 」
「っ はーーー。
、、、まぁ いいわ。
えーー、、 んーーー
そこ ひっかかる。
今はちづる一筋でしょうね?」
「 え? 、と ん、、」
「何!? 別れてないの?」
「〜っ 別れてるよ。、、多分。」
「多分て何!?
ちゃんと聞いてないの!?」
「 〜っ、聞いたよ。
でも、正直、、。
よく分かんない。」
「 っ はーーー。」
知可子は少し呆れているが、
強く問い詰める事が出来ないのは
ちづるらしい、とも思った。
ちづるは少し興奮しながら言う。
「今はっ! そんな事、、
どうでもいいの。 」
「 、 、、、。」
「嫌な思いさせた から
〜っ、 、 謝りたい 」
でも
それだけじゃ ないかも
「もう、
会ってくれなかったら
、 、 、、、 〜っ、 」
本当は
このまま 別れた方が
いいのかもしれない って
その方が
タクミ君の 為なのかもって
「 〜っ、 、 」
知可子は、
今にも泣き出してしまいそうな
ちづるの表情に少し驚いていた。