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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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朝日-3

健はタクミの顔を見て
考えながら言う。

「じゃあ、、
 キスでもしてた、とか?」

「 はぁ? するわけないじゃん。」

「 え? 、 、、、。」

「 ?」

「送った、だけで怒ったの?」

「、、うん。」

「、 、 、、、。」

「、 、 、、、。」


2人の間に妙な沈黙が流れる。
タクミが静かに言う。

「でも、その前に俺の送りの
誘いを断ってんだよ?」

「いや、でも、、。
その時は1人で帰るつもりで
  いたからでしょ? 」

「、 、 、、っ 」

「、 、 、、。」


再び、少し沈黙した後に
タクミは言う。

「 、、違うんだよ。
ちづ、 、  常盤さんは
 いつも俺に隠そうとするんだよ。」

「、 、、。」

「自分の都合の悪いことは、、
 いつも。
 バレなきゃいいと思ってんだよ。」

「、、、。 んーー、、
 でもさぁ。 
  なんてゆーか、、。
 言っていい?」

「 なんだよ。」

「それって結構、
  普通じゃない?」

「 、 、、」

「皆、そーじゃない?
自分の都合の悪いことは
言わないっしょ。
 タクミだって、、 」

「 ?」

「ゆかと付き合いかぶってた
時期とかあったんじゃない?
そういうの、
細かく常盤さんに言ったの?」

「 っ!  、、、、。」

「あれ?
 かぶってはなかったんだっけ?」

「 、 、っ そんな 」

「 ?」

「、、昔の事、忘れた。」

「 ! 、 、 、、」


健は驚いてタクミを見る。
タクミの言い方は
あまりに子供染みていて、
健は思わずアハハと笑いながら言う。

「〜っ っ ぇーー??
タクミ君、ひっどーーい!
 サイテーーー 〜っ、 」

「、 、 、、。」


タクミは決まりの悪そうな顔をする。
健は、子供のようにすねている
タクミに言う。

「〜っ、ごめんごめんっ。
じゃあ、俺がっ!
恋愛アドバイス! 
 してあげましょう。」

「 はーぁ?」

タクミは少し、
ふてくされた気持ちがあったが、
健の冗談のような言い方に
乗る事にした。

タクミが小さく
「じゃあ、お願いします。」
と言うと、健の顔が真剣になる。
タクミを、まっすぐに見つめて言う。

「そんな、
深く考えなくてよくない?」

「 、 、 は?」

「なるようにしか、ならないし。
そういうの考える時間
 もったいなくない?」

「 、、、え ? 
  それが、アドバイス?」

「 、 、、 うん。」


「っ はーーー、、
 お前ね、、。
はぁ。
 っつーかさーー、、
  そんな冷たい事、普通言う? 」

「 、 、 、、。」

「 考えたくて
考えてる訳じゃないし、、。」

「、 、、ふふっ 
   覚えてないの?」

「 は?」

「こういう恋愛アドバイス〜
 いつもしてる人。
 むかーし、、
  いなかったっけ?」

「 ?  」


   こういう ?


      、あ 。



タクミはふと、思い出す。

タクミは
友達には恋愛話を
あまりしない方で
誰と付き合う事にした、などの
報告ばかりだった。

一方で、健や他の友達は
女の子との付き合いや悩みなどを
お喋りしているのをタクミも
聞いていた。
たまに『タクミはどう思う?』
と、話題をふられると
タクミは決まって
このような返答をよくしていた。

『深く考えなくてよくない?』
『なるようにしか、ならない。』
『考える時間がもったいない。』

タクミが思い出した事が
表情で分かった。
ニヤニヤしている健に
タクミが言う。

「お前。
  性格悪くなった。 」

「、、、 ふ っ

 タクミは、
 常盤さんと付き合ってから
      性格変わった。」

「、 、 、 、。」

「、 、 、、ふふっ 
   許して あげたら?」

「 ! 」

「っつーか。
  許したいんでしょ?」

「、 、 、、。」

「ってゆーか、
 1回そんな風に責めちゃったなら
 許すしか道はなくない?」

「、 、 、、。」

「それか、別れるか。」

「 っ! 、 、、。」


「まぁ、、 うん。
  応援してるよ。
 常盤さんの手料理、
   まだ食べてないし。」

「、、、。別に。
 仲直りしても、
 家には呼ばないから。」

「あっそー。
まぁ、俺は〜
タクミと常盤さん別れちゃっても、
 タコパーあるしぃ。」

「 ! 、、 、 、。」

「ふふっ、 うそうそー。」

「、、あっそ。」

「座ってると身体冷えるね〜。
 少し歩かない?」

「、 、、ん。」



それから2人は歩き出し
少し公園を散歩してから学校に戻った。

学校まで歩いている時、
タクミは今日、ちづるの家に
行こうと決めた。


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