69-1
タクミは早崎との情事をふと
思い出す。
自分の性の基準は
早崎との関係によって作られた。
今になってそれを自覚する。
2人は先ほどの体勢のまま、
タクミがちづるを見つめて言う。
「、、、ちづちゃん。」
「ん?」
「69。 しよっか。」
「 え? 、、、、。」
?
シックス ?
ん ?
「えっ?
まさか、知らないの?」
「 っ、! ぇーーーと、 」
「っ えーーー!?
大人なのに、知らないのー?」
「〜っ !
、、、知ってる よ、、。」
「、、、ふふ ちづちゃん。」
タクミはちづるの頬を
優しく撫でながら言う。
「嘘がーー。
左手から、出てます。」
「っ ! 」
「ご めーん。冗談。
知らない大人もいると思うから、
大丈夫だよ。 」
「、、、 うん。」
「 ぁーー、、じゃあさ、
当ててみてよ。」
「 え?」
「しっくす ないん
とは。
なんでしょー?」
「 え? 、 と、 、、。」
「あ。 ちなみに
料理名では、ありません。
話の前後を思い出して
考えてみましょう。」
「っ! ん、 うん、 、、。」
シックス ナイン
えーーと、 69 ?
69しない? って
タクミ君は言ってた
69
数字 、 、、だから
んーーー?
難しい
何か エッチな事
だよね きっと
「はーい、10秒前。
罰ゲームあるからねー?」
「 え!?」
「10 9 8 、、、」
「待ってっ !
あの、 するんだよ !」
「?」
「あのね、? 69回!
するの!!」
「、、、 何を?」
「 〜っ、 ぁの、 」
何を だろう
セックスを69回
な、訳ないっ!
不可能 、 だから
「何をーー?
69回するの?」
タクミはニヤニヤしている。
ちづるは考えた末に閃いたが、
自信はなさそうだ。
小さな声でボソッと言う。
「、、、好きって気持ちを
数えながらキスを 」
「 え?」
「相手の、身体全身に、、。
キスを するの。」
「、、、。 どっちが?」
「え?」
「どっちがキスする方なの?
男が女に?
それとも、逆?」
「、 、〜っ
2人、合わせて69回。
、、、先に話し合って
決める 、、とか。 」
「、 、、。」
「、 、、、。
ごめんっ
本当は 全然っ!
分かんない。
あの、正解を 」
「、、、、。」
「教えて ください。」
ちづるが答えを言った時
タクミは少し驚いた顔をした。
ちづるは、自分がまた
検討外れの事を言ったのだと
思っている。
タクミが言う。
「 正解 っ 」
「 え?」
「なんだー。
知ってたんじゃん。69。」
「 えっ? 、、嘘。」
「 本当だよ。」
「、、、。
嘘だよーー!
私をからかってるでしょ? 」
「本当だってば。
当たってたから
びっくりしちゃった。」
「、 、 、、、。」
本当に?
本当にそれが
シックスナイン なの?
キスを? 数えるの?
愛情の確認
って感じの
プレイ とか?
「決めよっか、回数。
あ、服脱がなきゃーね。」
「え? 、、、うん。」
タクミが布団の中で服を
脱ぎ始めた。
ちづるもタクミの様子を見て
少し戸惑いながらパジャマを脱ぐ。
「じゃー俺30回。
ちづちゃん39回ね。」
「 、、、うん。」
2人は下着も脱ぎ、裸で
布団に入っている。
ちづるが戸惑いながら聞く。
「どうやって、、
数えるんだっけ?」
「んーー?
それは、してもらう人が
数えるんじゃない?」
「ん、 そっ か。」
「、、ふふっ 大丈夫だよ。
じゃあ、ちづちゃんからして?」
「ぇ ? 、 、、うん。」
「全身に、だからね。
顔だけじゃ駄目だよ?」
「 、 ん
あ。 電気 消すね。」
「 ぇーー? 」
「〜っ、 69は
電気を消してするものだと 、」
「 ふーーーん、、、」
タクミは面白そうにニヤニヤしている。
ちづるは、さも自分が69を
知っているような発言を
した事に急に恥ずかしくなった。
顔が熱くなるのが分かり、
それがバレるのが嫌で
急いでリモコンを持ち
豆電球にした。
ちづるが、
タクミに覆い被さるような体勢で
四つん場になる。
タクミは
仰向けで、両手を頭の下にいれて
ニヤニヤしながら
ちづるを眺めている。