企み-6
「それにしても、おまえはよくそんなことまで想像できるよな。
エロいホームズの解説ってもんだなぁ。本当に、……感心するよ。
そんなに、あの奥さんにぞっこんなのか?」
「ああっ、最高さ。
あの奥さんを見ちゃうと、女子大生なんて女として見ることができないな」
「そんなものかな。
うちのクラスにも結構可愛くて良い娘がいると思うんだが……」
「ダメダメ。
男を知って、女の悦びを熟知した人妻こそ、最高さ。
男を喜ばすツボを心得ている上に、旦那の前で、心いくまで女を発散できるなんてのは、人妻にしかできない」
「はいはい」
「幹哉にはわからないかな。
旦那一人だけしか知らない奥さんのあそこ、つまり旦那の形に馴染んだあそこに挿れていくのは、今まで使われていなかった部分を新しく開拓するようなもので、いわば、第二の処女を破るようなもんだよ。
それに子供を産んで母乳を滴らせたことのある垂れ気味の大きなオッパイは、張りと柔らかさの両方を兼ね備えている。……硬いだけの青臭い女子大生のオッパイとは比べものにならないよ。
おまえだって、写真撮ってるからわかるだろう。
志津代なんて、でかくて張りのあるオッパイをしてたじゃないか。
四つん這いにしてバックから突かれたのを見ただろう。
身体の動きに遅れて揺れる、重そうに垂れた乳房が艶めかしかったじゃないか」
「もう、いいよ、
おまえの人妻の魅力とやらは、充分よぉくわかったよ」
武史たちは、バイトでAVの撮影の手伝いもしていた。
志津代は、そのときのAV嬢のひとりだった。顔は人並みだったが、大きな乳房と喘ぐ姿が武史のタイプだった。たいていのAV女優は企画もの一コマの登場で、短時間で、それも一回きりというのが多かった。志津代も名も無い女優の一人だった。
DVDの撮影が終わった後で、武史が口上手くグラビア撮影のモデルにならないかと調子よく誘うのだが、ことごとく断られた。
志津代にも同じように声がけした。
また今回もだめかなと、あきらめの気持ちで声がけしたのだが、予想に反して、二つ返事で撮らせてくれることを志津代は約束してくれたのだった。
志津代のように撮らせてくれる女優はほんとうに希だった。ほとんどが相手にもされなかった。
志津代の写真集は、それなりに売れて、やがて第2回目の写真集の発刊も予定していた。
武史たちは、街に出て,声をかけるなどと言う勇気も自信も無かった。だから、このようにおこぼれにあやかることができたモデルを使って、貸しスタジオで撮影していたのだ。
ベージュのパンティを横から見ると、股に当たっていた部分の布が女の丘のカーブの形になって固まっていた。
「すごいぞ。……名器かも……。
正面から見ると、チロッとクリトリスの頭が見えるかも……」
武史が想像するかのように呟いた。
汚れの位置からすると奥さんの女性器の位置は、正面からは陰唇の上部が僅かに見えるくらいの、いわゆる下付きだった。
三枚目のサニタリーショーツは、洗濯済みだった。防水加工の股の部分がよれていて、一年以上は使われていたようだった。
「毎月、これを当てていたのかと思うと……」
武史は、妖しい目をしてショーツを黙って眺めていた。
何か不届きなことを考えているに違いないと幹哉は横目で見ていて感じた。
「すごい宝物が手に入ったぞ」
武史は紅潮して、大事そうに新しい透明なポリ袋に一枚ずつしまっていった。
昨晩から今朝にかけて、奥さんが旦那と三回も性交したことと、三枚のパンティが入手できたことで武史は大満足だった。
(これを出汁に、奥さんに近づくチャンスが出てきたな。さあ、いよいよ計画実行だ)