あたるの選択-3
「もしもし?」
「あぁ真彩、今良いか?」
「…うん!何か御用?」
二人が寝静まった夜、俺はベランダで北海道の恋人、真彩に電話を掛ける。
「別に!用っていうよりも…その。」
「?」
「何か急にお前の声が聞きたくなっちゃってさ…。」
「っ!…ヤダもぅーあたるったらぁー。」
電話越しから耳にするうっとりとした彼女の声。けど気を取り戻すようにクールになり。
「それで?相談事は何?」
「え…。」
鳩が豆鉄砲を食らったように一瞬言葉を失うも。
「どうして分かった?」
「…だって声に疲れが出てる、というかいつも以上に声のボリュームが高いから、まーた
何か無理してるんじゃないかって思ってさ。」
もはや返す言葉もない。
「ははっすげーなその通りだよ。」
「ふっふーん!で?どうしたの?」
電話だと長くなると思うので再び頑張って青森から北海道まで列車で向かい、直接会って話す事に。