〈兄と妹〉-9
『お兄ちゃんもね、乳首が感じるんだよ?ククククッ……亜季ちゃんに舐めて貰いたいなあ?』
「わかッ…ズズ…分かりました……」
次は無いという強い言葉の宣告に、亜季は言われなくても了解を口にしていた。
長髪男は掌を自分の後頭部に回して枕にし、これから奉仕を行おうとしている亜季を眺める。
どす黒い乳首は今や遅しと待ちわび、体毛の生えた汚ならしい乳輪も神経を尖らせている。
この乳首舐めの奉仕が始まったなら、もはや遠慮はしない。
好きなように要求を突きつけ、その幼体を消耗させながら快楽を貪ってやる……いつもの凌辱とは違う興奮に胸は高鳴り、眼球が赤くなるほどに血走り始めた……。
「ふへッ…うぅ…えふ……ッ」
眼下に据えられた涙を流すしかめっ面は、控えめに口を開けながら恐々と舌を伸ばしていた。
長い髪が垂れ下がり、その泣き顔は見えなくなりそうになったが、気の効く首謀者が素早く掻き上げて、ポニーテールのように束ねあげる。
『大好きなお兄ちゃんの為に健気に頑張る妹の顔……ヒヒヒッ…「亜季、一生懸命頑張るから、お兄ちゃん見てて〜」……なあ、見ててくれなきゃ寂しいよなあ?』
「ヒックッ…ヒック!亜季、頑張るからッ…んぐッ…お兄ちゃん見てて…ズズッ」
『良〜く見てるから……プクククッ…お兄ちゃんを気持ち良くさせてね、亜季ちゃん』
悲壮感を滲ませた引き攣った目尻……真っ赤に染まって鼻水を垂らす鼻……への字に歪んで軋む唇……彩子と麻矢を地獄に叩き落とした張本人を相手に、自分から性的な施しをしなければならない状況に置かれた亜季の形相は、これまでの凌辱の最中でも見せなかったくらいに哀しく、辛く、そして憔悴していた……。
「お…ふぇッ…!!」
どす黒い乳首に舌先が触れると、亜季はまるで嘔吐するような呻きをあげた。
悔しいと思っている。
汚いと思っている。