〈兄と妹〉-3
『……どこ見てんだ?ちゃんと糞塗れにされたやあたんを見ろぉ……ヒヒヒッ…やあたんは何時間もマワされて、オマンコと糞の穴におチンチンミルクをタップリ出されたんだ……その後で綺麗な顔を便器にされて……イヒヒヒ!』
「きッ!?き…聞きたく…ないッ…聞きたくないよぉ!」
オヤジの強力な腕力と突きつけられた写真、そしてその場面の描写……亜季は顔を背けられないくらいに身体を硬直させ、何度となく襲ってくる悪夢に恐怖した……。
『ベッドに縛りつけたままで周りを囲んで……皆で顔を的にして一斉に連れションしたってよぉ……フヒヒ……そんで変態オヤジが顔を跨いで屁ぇコイて……イヒッ…姦られまくって息も絶え絶えだったクセに、蜷局(とぐろ)巻いた糞が顔に乗っかるとメチャクチャに暴れたらしいぜえ?』
「やめてえッ!!やめ…やめてえぇぇぇッ!!」
亜季の意識が確かだったなら、この凄まじい光景を肉眼で捉えていたはず。
写真であっても亜季の精神的なダメージは相当なもので、まだ何もしないうちに瞳から生気の光が消えそうになっていた。
もちろん、その様子を首謀者が見逃すはずはなく、写真を床に放って亜季の視界から外すと、涙のつたい落ちる頬に舌を這わせ、薄い耳たぶに唇を寄せた。
『……へへへ…実はよぉ、前園愛をレイプして糞便器にしちまおうって提案したのは、この俺なんだよぉ……』
「ッ!?」
亜季の脳裏には、監禁当初に見せられた一枚の写真が浮かんだ。
姉・愛に良く似た少女が暴行されている写真……あのような光景に愛が巻き込まれないよう、亜季は必死になって耐えていた……そんな記憶が再び呼び起こされていた……。
『俺がいくら『ヤラせろ』って怒鳴ってもよぉ、お兄ちゃんは『亜季ちゃんと約束したから駄目だ』って突っぱねたんだ……本当なら糞便器になってたのは前園愛……オマエのお姉ちゃんだったんだ……』
「ッ…!!!」
もしも……やあたんではなく姉の愛があんな目に遭わされたとしたら…?
考えたくもない恐ろしい結末に亜季は背筋が凍り付き、何かにとり憑かれたかのように身体は震えた。
『お兄ちゃんのお陰で、お姉ちゃんは最悪の状況でも命拾い出来たんだ……なあ、「お兄ちゃん、ありがとう」って言ってもイイんじゃねえのか?』
「ッ〜〜〜〜」
確かに愛は集団凌辱の被害者とはならなかった。
だが、それが「ありがとう」という言葉に繋がるとは、どう考えても思えない。
『忘れたかあ?俺達はオマエの家が何処にあるか知ってんだよぉ。もう一回愛を拉致って糞便器にするくらい簡単なんだぜぇ?』
「ッ!!!」
考える猶予すら与えまいと、首謀者は矢継ぎ早に亜季を詰めた。