そして、館内ツアーは第二幕へ……-2
「皆さんが盛り上がって、ワタクシもテンションが上がらないと、あの禁断の部屋には入れない……ことになっているのよ……。今日は、久しぶりに扉が開くわっ!」
ヴァギ奈が鞭を勢いよく振り上げてると……。
ゴゴゴゴゴゴッ、ドドドドドッ……。
部屋の奥にあった本棚が左右に分かれて開き、中から重厚な鉄の扉が姿を現した。
ヴァギ奈はゆっくりとドアに近づくと、重い扉を全身で引くように開け始めた。
扉は少しだけ開いたが、中々そこから先には開かない。
モップで床を拭いていた大男が、ヴァギ奈の後ろから大きな手をを伸ばしてドアに手を掛けると、重いドアは重苦しい音をグゴゴゴッという感じで鳴らして開いた。
「ありがとう、カブッ……」
「いいえ……、姉さま……」
坊主頭の大男はカブという、もう一人、茶髪でロン毛、プロレスラーみたいな大男はタクだ。
二人はヴァギ奈の実の弟である。
開いた扉の向こうはカーテンで仕切られている。
客は全員が戸惑いを隠せない。
いま、この前半戦で辱めに遭ったのは、幸江と彩子だ。
特に彩子は下着姿にされ、女性の大事な部分に触れられた。
(次は自分もあんな目に遭うのではないか?)
文華と美来はそう思っていた。
茶髪の大男に手を引かれ、彩子が戻ってきた。
まだ意識が朦朧としており、大き目のバスローブを羽織って、近くの椅子に座る。
(私は……、もういいわよね……、もう十分恥ずかしい目に遭ったし……)
幸江は少し安心していた。
正直に言うと、他の女性、特に文華が恥ずかしい目に遭う姿は見てみたい気がする。
不安な女性陣に比べて、男性陣は笑みを浮かべながら、「行くべ……」、「入ろうよ……」などと言い合っている。