思い出の君、今いずこ-6
「ここか」
メールに記された住所に建っていたのは、学生向けの小さなアパート。
「お邪魔します……美由?」
番号をしっかり確認してから、雅樹が慎重な足どりで部屋の中に入った。
――だが。
「!!」
いきなり視界に飛び込んできたのは、目を疑うような光景。
「ん、んっ、んん、んんーっ!」
全裸の男四人に一人その肉体を捧げる、美由のあられもない姿であった。
仰向けの武田に後ろ向きの騎乗位で挿入されたまま、両横に立つ藤井と中村の一物を左右の
手で同時にしごき、さらには正面に突きつけられた遠藤のペニスを深く咥え込んでねっとりと
しゃぶり回している。
「なっ……んなっ……」
薄汚い肉の棒に蹂躙される美由を目の当たりにして、雅樹はそう絶句するよりなかった。
「あ、来たね、藤坂くん」
武田が首だけをひょいと上げて雅樹の姿を視認すると、
「じゃあ、ぼちぼち」
下からせっつくように美由を突き上げ、軽い調子で声をかける。
「ぅう」
遠藤の剛直を口から離さぬまま小さく頷くと、美由が全身をフルに動かし始めた。
「んっ、んっ、んっ、んっ、んっ、んっ!」
口で、両手で、そして、性器で。
四本の肉棒をまとめて味わいながら、反応を確かめるように男達の様子をちらちらと窺う。
(な、何だよ……何だよ、これ……)
雅樹は、まるっきり訳が分からなかった。思考回路が急激に鈍って、状況への理解がまるで
追いつきそうになかった。
「美、由……」
見えない力に引きずられるように、ストライブのニーハイ以外全て脱ぎ捨てた美由の身体に
視線を張り付かせる。
美由の胸は小ぶりで、騎乗位といってもそれほど揺れているわけではなかった。無駄な肉の
ない体型はスレンダーで美しいが、性的な魅力にはやや欠けるようにも見える。
――なのに。
「んん、うー、んぐ、んっんっんっ!」
苦しそうな息遣いで、それでも恍惚の表情を浮かべながら四人に尽くす美由の姿は、とても
淫靡でいやらしいものに感じられた。
「くっ……!」
一瞬、激情が雅樹を襲う。
この四人を払いのけて、白馬の王子様よろしく美由を救い出してやろう。
そんな焦げつくような衝動が、めらめらと胸の奥から湧き出てくるのを感じた。