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変態学園の日常
【学園物 官能小説】

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第25話 29番日誌25-2

 再度緞帳が上下する。 今度は拘束具を脱いで、みんな全裸になっていた。 椅子がのけられ、代わりに私達と同じようなエボナイト製のポールが並んでいる。 指揮者もポールを跨ぎ、みんな揃って大きく腰を落とすと、おまんこの奥まで挿入する。 見た感じ、30センチは咥えてるから、子宮ギリギリまで入ってるだろう。 牝らしく情感を込めて演奏するということで、3曲目のドボルザーク『新世界』は、股間のポールでオナニーしながらの演奏だった。 曲の盛り上がりに合わせて指揮者が合図を送り、タイミングを合わせて舞台の上で楽団の方々がビクンビクンする。 あれは、表情は真顔で一切感情を出していないけれど、本当にイってるんだと思う。 学園生と違って首輪は着けていないから、イッた証拠は分からない。 でも、ポールを咥えたまま腰をグラインドさせるスピードといい、小刻みに痙攣する様子といい、とても演技とは思えなかった。 

 曲目が終わって、楽団の皆さんが舞台から去り終えるまで、みんなで一生懸命拍手を続けた。 その後で私達が退出したけれど、舞台のポールも、私達のお股のポールも、負けず劣らず半透明の液体で艶々していた。

 
  
 

―― 7月○日 今年初めての猛暑 ――

 午前は水泳、午後は芸術。 昨日に引き続き、講堂で『現代劇』を鑑賞した。 シェイクスピアの『ベニスの商人』だ。 前半は全員普通の衣装をつけ、お人よしの商人や腹黒い金貸しを迫力満点で演じていた。

 中盤、舞台が求婚の段になったところで一度幕が降りる。 数分して劇が再開したとき、俳優はみんな『ボディペインティング』に変わっていて驚いた。 全裸の上に服を描くという唯のボディペインティングじゃない。 乳首の上に『まつ毛』を描き、胸の谷間に『鼻』を描き、オヘソの周りに『唇』を描きこんでいる。 そこから下に服装を描きこんでいて、つまり『おっぱいを顔に見立てた絵』だ。 さっきまで全身で情感を表現した俳優が、今はおっぱいを揺すって表情を表し、お腹を波うたせながら腹話術で台詞を喋る。 まるで腹踊りしているようで、真面目に演技をしている分、舞台全体が滑稽だった。 滑稽すぎて、無様すぎて、ちっとも笑えない。

 後半、肉の裁判が始まる際に、再び幕が降りて衣替えになる。 今度は全員が全裸だった。 微かにボディペイントの絵具が残っていたけど、せいぜい1分もない間に色を落せたのは凄いと思う。 肌が一様に赤らんでいるのは、ゴシゴシときつくタワシあたりで擦ったんだろう。 
 みんな客席にお尻を向けていて、台詞に合わせてお尻を振る。 お尻で輪を描いたり、小さく飛び跳ねてタプタプさせたり、キュッとお尻を締めて尻笑窪をつくったり、たかがお尻、されどお尻だ。 プロが演じるお尻の動きは千差万別で、一つ一つの動作に個性があった。 演劇部のクラスメイトから昔聞いたんだけど、ボディ・ランゲージといって、演劇をする他人は体のパーツで全ての感情を表せなくちゃいけないし、どんな動きがどんな感情に対応するのか、一から十まで決まってるらしい。 つまり『腹を立てている時は、お尻をぷるぷる震わせること』みたいな規則で、身体の動きは雁字搦めだそうだ。 役者さんの動きもきっと、細かい規則通りにお尻を振っているに違いない。 まあ、だからといってお尻の動きから何か伝わるかというと困るんだけど……それでも、シャイロックの厭らしさや、アントニオの気持ちの強さが、きっとあのお尻の動きに込められてると思うと、お尻に表情が浮かんでくるから不思議だ。 というか、ただお尻を振っているだけなのに、全然無様に見せないところは、さすがプロだなって感心します。 

 ハッピーエンドで幕が閉じて、カーテンコール。 おっぱいで拍手する私達に、役者全員がオナニーしながら頭をさげた。 気取った素振りでお互いを称えながら潮を吹く姿は、お世辞にもマトモとはいえないと思う。 でも、それでも気にする素振りも見せず振舞うところに、改めて役者魂の凄味を感じる一コマでした。





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