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変態学園の日常
【学園物 官能小説】

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第25話 29番日誌25-1

〜 29番の日常 〜



―― 7月○日 曇り時々晴れ ――


 期末試験が終わって、次の大イベント『学園祭』が控えている。 本格的に準備を始めるまで、しばらくは『水泳』と『芸術鑑賞』で骨休めだ。 授業と違って中(あ)てられることもないし、芸術鑑賞は気分的に楽で嬉しい。 全裸で芸能を見ているっていうのも充分恥ずかしいはずなんだけど、本音をいえば、恥ずかしいなんて感覚はいつの間にかズレちゃっている。

 鑑賞初日の今日は、第1体育館と第2体育館の間にある『講堂』で、1学年3クラス揃って『オーケストラ』を聴いた。 『講堂』を使うのは入園して初めてだ。 前列と二階席、三階席は赤い絨毯と皮張りの椅子が並んだ豪奢な造りになっている。 一方、私達が座る生徒用の後列は、椅子の代わりに床から黒光りするポールが伸びていた。 ポールの先端は二股に分かれていて、エボナイト特有の光沢がある直径5センチと2センチの円筒がテカっている。 みんな無言でポールを跨ぎ、5センチの先端とおまんこに、2センチのをアナルに咥えた。 これくらいの太さ、入園当時ならまだしも、今となってはどうってことない。 いつでもどこでも、指を使わずおまたを擦り合わせるだけで十分愛液が出せるようになってるし、ぬぷっと難なく挿入できる。 そもそもポールを一目見て用途が解ってしまうあたり、私たちもこの1学期で学園に順応したっていうことだろう。
 ポールの二股の付け根まで咥えるには、どうしてもがに股気味に腰を落とさなくちゃいけない。 みんな腰を落とすと、ちょうど舞台が見えやすい高さに視線が落ち着いた。 ということは、芸術鑑賞中はこの姿勢を維持しろっていうことだ。

 暗黙の了解で背筋を反らし、おっぱいを強調しながら手を背中に組む。 辛い姿勢だけど、おそらくこうすることが正しい聴衆の在り方だ。 ジッとポールに貫かれていると、全身黒いドレス姿の楽団員が舞台に並んだ。 指揮者はタキシード姿の女性で、背が高くてカッコいい。 指揮台に登って私達の方を向き、一礼する。 私達は腕を背中に組んだまま、胸を上下に激しくゆすった。 おっぱいを揺らしてたぷたぷ鳴らすという、Cグループ生のマナーの1つ、おっぱい拍手。 彼方此方でおまんこが擦れて、くちゅっ、音をたてる。 例え性感を受けていても表情には出しちゃだめで、真剣そのものの目線でおっぱいを揺するのが正しい拍手と教わっているから、みんな能面でたぷたぷ揺するんだけど、自分のことはさておき一種異様な光景だと思う。

 指揮者の説明によると、初めは牝性を度外視し、殿方に聴いていただくことを想定した演奏――つまり殿方に準じたドレスコードに従い、着衣の上で拘束なしに行う演奏――らしい。 ムソルグスキーの『はげ山の一夜』という、静かな曲で、音楽に詳しくない私でも、楽団の方々が物凄く上手だとすぐにわかった。 30分ほどで楽章が終わった時は、みんな一斉に大きな拍手をした。 勿論、おっぱいとおまんこで、だけど。

 一度降りた緞帳が再び幕を開けたとき、楽団の方々はドレスを脱いでいた。 代わりに『革製の目隠し』『鼻フック』『耳パッド』『口枷』で顔を拘束し、身体はエナメルのボンデージでカンカンのカンに搾っている。 股間には、多分貞操帯だろう。 胴回りは、見ているだけで苦しくなるくらい引き締めたコルセットが覆っていた。 指揮者曰く、2曲目は『指揮を見ず、拘束の上で機械的に演奏する』そうだ。 チャイコフスキーの『くるみ割り人形』で、私もよく知っている曲だった。 指揮者が最初の一振りに合わせて、どん、床を鳴らす。 その拍子でスタートした軽快な曲は、とても全身を無様に拘束された人たちの演奏とは思えない、完璧なメロディだった。
 小節の拍数、リズム、呼吸すべてを暗記する。 他の演奏を聴かず、指揮も見ずに正しいタイミングでハーモニーを奏でてこそ、楽団に参加する資格がある――『音楽家』について職業講演会で聞かされていたけど、本当に完璧に演奏するのを目の前で見せられたら、どうコメントしていいかサッパリだ。 凄いっていうか……凄すぎる。 どんな練習をしたらこんな風になれるのか、ちょっと想像がつきません。



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