第19話 29番日誌R-1
〜 29番の日常 〜
―― 7月○日 曇天 ――
球技大会が終わった。 体育での球技も一区切りつき、久しぶりの基礎体力つくりだ。 私達が意識して鍛えなくちゃいけない筋肉は、外面もさることながら内側に多い。 腹横筋や腹直筋、骨盤底筋といったインナーマッスルがソレだ。 インナーマッスルを鍛えるためには、シンプルな姿勢でジッとしてみたり、意図的にゆっくり体を動かすのが効果的なんだとか。 こういった姿勢を良くするトレーニングを『体幹トレーニング』と呼ぶんですよね。
午後体育では、基本的な体幹トレーニングをいくつか教わった。
1つ目、フロントブリッジ、別称プランク。 俯せの状態から肘と腕を床につける。 次に膝が曲がらないよう真っ直ぐ伸ばし、お尻の外側に脂肪を寄せるイメージで、身体の正中線をしならせる。 その上で体がブルブル痙攣する姿勢をとり、出来る限りオマンコを外側に拡げれば、内転筋および骨盤近くの恥骨筋を適切に鍛えることになるとのこと。
2つ目、サイドブリッジ。 横向けの状態から片手をついて、いわゆる組体操の『アンテナ』みたく身体を起こす。 身体全体が斜め向きに真っ直ぐになったところで足の付け根に力を込める。 子宮を膣口に下ろす要領でオマンコをいきみ、胎襞がオマンコ越しに透けるまで捲れれば完璧だ。 骨盤が前後に傾かないよう注意しながら、同じ姿勢を1分間キープする。
3つ目、ヒップリフト、別称片脚バックブリッジ。 仰向けになってから両手の甲を天井に向け、膝を立てる。 そこからお尻を浮かせ、片方の脚をあげて膝を伸ばす。 足を大きく拡げれば自然とお股が引っ張られてオマンコが拡がるけれど、足は体が真っ直ぐになるところまでしか拡げちゃいけない。 ギリギリまで足をあげてから、あとはお尻に力を入れて尻笑窪をつくる。 お尻でオマンコのインナーマッスルを引っ張ることが出来れば、それなりに開いたオマンコだ。
身体を静止させるトレーニングは、『身体の角度が真っ直ぐ』であることと『オマンコがはしたなく広がっていること』が大事になってくる。 前者は美しい姿勢の維持のため、後者は自分の卑しさを肯定してもらうため。 どちらか一方とも疎かにできない。
4つ目、ダイアゴナル。 四つん這いになってお尻の皺穴をピンと伸ばし、左右どちらかの手を耳の高さまで挙げる。 挙げた手と反対側の脚を真後ろに伸ばし、水平に保てばポーズが完成する。 骨盤が左右に傾かないよう気をつけながら、一回につき5分間同じ姿勢が維持できるようになれば、かなり体幹が育ったといえそうだ。
5つ目、ニートエルボー。 体幹トレーニングといえば横になってからのイメージが強いが、中には立ったままのトレーニングもある。 両手を頭の後ろで組み、対角にある肘とひざが触れたまま5分維持するという、いたってシンプルなトレーニング。 顔を下に向け、爪先を身体の内側に回し、上半身を捻る。 身体の軸をまっすぐに保ったまま身体を捻ると、腹斜筋と大腹筋が途端にピクピクしだす。 そのままだとオマンコが閉じたままだから、ちょっとだけ腰を落としてがに股気味にして、陰唇が開いた体勢をキープだ。
他にもいくつかポーズを教わる。 どのポーズも、これまでやらされた姿勢に比べれば左程難しくはなかったし、ジッとすることも出来る。 ただ、それなりに集中力がいるし、常にオマンコに力を入れなくちゃいけなくて、数分過ぎたころから俄然辛くなってくる姿勢ばかりだ。
5限に姿勢そのものを教わり、6限にそれぞれを実践。 7限はひたすらジッとし続けた。 8号教官曰く、目標は『ハシビロコウ』という鳥で、4時間に1度しか動かない生き物だという。 う〜ん……4時間ジッとしてるっていうのはちょっと……無理かっていうと、無理じゃないけど……なんともコメントしにくいな……。 (まあ、教官がいうんだから、実際にさせられるっていうのは良く分かりました。 ちなみにそれを聞いたときの反応は、【2番】さんが溜息、【22番】さんが真剣そのもの。 あとの半分はどんよりどよどよで、もう半分は(私を含め)爆笑でした。 だって笑うしかありませんもん)