第11話 29番日誌J-3
―― 5月○日 しとしと雨 ――
中間試験2日目。 社会、数学、家庭科の順番だ。
1限目、社会。 問題用紙を開くなり『陰毛でマスをかけ』と指示が書いてあった。 陰毛って……無茶だけど断るわけにはいかない。 そもそも剃った上でお線香でもって処理しているから、私達はみんなツルツルのパイパンだ。 どうしろっていうんだろう……答えはまだ分からない。 分かってることは、私達のクラスは誰も首輪を光らせる(絶頂したら首輪が明滅する仕組み)ことが出来なくて、全員が『白紙』で答案を提出したってこと。 これって平均点は『0点』になるんだろうか? 2組は全員赤点で、進級できない扱いにされちゃったんだろうか?
もしそうだとしたら酷すぎる。 あの、2号教官にお聞きしたいんです。 こんなのってアリなんですか??
2限目、数学。 さっきの社会ショックが大きすぎて、動揺を抑えつけるだけでもいっぱいいっぱいだ。 それでも指示にしたがい肛門でオナニーを繰り返すうちに落ち着くことが出来た。 3回イクのにかかった時間は10分くらい。
問題構成は凄くマトモ(?)で、問題集に出てきた問題が2問と、初見の問題が2問からなっていた。 最初の2問はどうにか解けたけど、初見の2問はサッパリわからない。 隣の22番さんを含め、私の周囲はみんな黙々と手を動かし続けていて、解答できてるっぽかった。
3限目、家庭科。 調理に関する試験問題。 問題用紙には食材、調味料、料理器具が並んでいた。 問題は『これらを【全て】用いた健康によい献立をつくれ』。 まあ、これだけ書くと普通に見えなくもないけれど、食材や調味料の中身を見た時、安易な想像は雲散霧消した。
食材……搾りたての母乳 、 屎尿 、 ブロッコリー 、 なめたけ 、 鶏肉
調味料…膣恥垢 、 臍ゴマ 、 潮(塩ではない) 、 胡椒 、 味噌
器具……自分の膣・肛門その他身体各部位 、 ガスバーナー
一体何をどうしろと……とりあえず野菜を焼いてから、調味料を塗り込んだ膣に入れて、味付けをして……そんな感じで献立を作った。 でも、工夫はないし、ありきたりだし、どう考えても美味しそうに思えない。 テストが終わった時に感じる達成感は皆無だった。
テスト2日目終了。 今、ただただ落ち込んでます。 寮に帰ってすぐに寝ます。
―― 5月○日 曇り時々雨 ――
3日目のラインナップは、道徳・理科・美術の3科目。 昨日は昨日、今日は今日。 嫌なことはスッキリ忘れて、思い切って試験に望めたような気がする。
1限目、道徳。 『誠意をもって謝罪するには』という論文を読んで感想文を『4000文字以上』で『簡潔に』書け、という問題だった。 自慰方法は『肛門に中指を抜き差しすること』と指定されており、3回達するのに15分もかかってしまい、とても時間内に文字数は埋められない。 論文自体もかなりの分量があった。 『相手に伝わってこそ誠意だ』、『すばやい対応が誠意の基本』、『いわれる前にこちらから行動することで誠意が伝わる』やら『誠意は相手のみが判断できる』といった内容だ。 でも、全部は読み切れないから半ば推測で感想文を書いた。
内容は、
『こちらの非を伝えるために、自分自身が愚かで無様、かつミジメで変態な自分自身を認識する必要がある。 相手にお尻を向ける無礼を謝しつつ、止むに止まれぬ変態性を発揮してケツマンコ、およびチツマンコを皺が伸びきるまで拡げながら、淫らな内臓の露出を許可してもらい、卑しい自分自身を正直に見せることが誠意の一歩として相応しい――』
『先様の清い足の裏で、淫らで甲斐性がない私のチツマンコを踏みにじっていただき――』
『先様のお手を煩わすことを重ねて詫びつつ、鞭、或は平手でもって私の全身が充血するまで打擲で持って指導してもらい――』
みたく、延々と自分を貶める行為を続ける謝罪方法。 学園では、すごく逆説的だけど、相手が赦してくれるまで自分を貶める以外に自分を挽回する道はないと思う。 だからだろう、気づいたらこんな文章を書いていた。
2限目、理科。 試薬の性質を問う知識問題、試薬の調製実験を下敷きにした計算問題、ラベルがない試薬を同定する論理問題。 どれも『オマンコのオ』の字もない、きわめてまともな問題だった。 まともすぎて、逆に不安になったくらい。 自慰方法も『自由』って書いていたから、逆にどこを触っていいか迷っちゃって、余計に時間がかかった気がする。 こんなこと書くのは不謹慎かもですけど、もうちょっと厳しくしてくれた方が、解く側としては有難いです。
唯一学園らしい問題が、最後にあった『体の一部を活用した物理的な実験を考案しなさい』という問題だ。 私は『乳首』を活用して、『乳首にぶら下げた分銅の振動周期』を計る実験にした。 私のアイデア、どうでしょうか? 個人的には、かなりイイ線いってるつもりです。
3限目、美術。 自分の名前――っていっても番号ですが――をつかって『キャラクターをつくる』という内容に、戸惑いつつもなんとか時間内に描くことができた。 『2』と『9』の2文字をどう使うかがポイントになる。 『2』を『ひざまづいて自分の母乳を飲んでいる姿』に、『9』を『半分包皮がめくれたクリトリス』に設(しつら)えてら、母乳を自飲しながら包皮を弄るキャラクターになった。 暗に自分自身がそういうキャラクターになったようで、ちょっぴりミジメな気持ちがした。
以上、3日目を振り返ってみた。 2日目に比べて明らかに手応えがある。 この調子で、あと1日、最後の試験を乗り切りたい。 すぐ寮に戻ってテスト対策を頑張ろう。