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変態学園の日常
【学園物 官能小説】

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第6話 29番日誌E-3



―― 5月○日 晴れ ――


 3組で初めての『補習』が出たらしくて、昼休み中ずっと隣のクラスがザワザワしてた。 1組の子も驚いていて、廊下であれこれ喋っていた。 私も通りすがりにちょっと立ち止まって、話を横から聞かせて貰った。

 対象になった3組の生徒(番号が分からないから【Aさん】とします)は、3限と4限の間の休み時間にトイレにいったらしい。 普通はオシッコだけど、その時は大きい方だった。 で、学園のトイレでウンチをしたら、メンテナンスのため、トイレの使用記録に記帳することになっている。 例えば『○月○日何時、○○番。 濃い茶色の排泄物概算2キロ、匂い:代謝が弱く発酵が進んだ芳香、音:ブリブリ、ブビュッという破裂音が混じった卑しい連続音、排泄時間:約2分……』といった感じで、最低1000字以上自分のウンチをレポートしなくちゃいけない。 (これであってますよね? 私は毎朝ウンチをする習慣がついちゃったから、学園のトイレで大きい方をしたことはなくて、まだレポートを書いたことはありません) 

 これって、休み時間内に書ける量じゃないから、必然的に学園のトイレで大きい方をしてしまうと、次の時間は遅刻になる。 ところが【Aさん】は、休み時間内に戻ってきた。 で、そのまま授業が始まったところで、校務員から授業中の教官に連絡が入る。 どうやら【Aさん】はトイレの使用記録をつけず、勝手に流して教室に戻ってきたらしい。 厳しいことで有名な1号教官だから、ここまで聞いた段階で展開は予想できる。 1号教官は授業を中断して【Aさん】の首輪に紐をつけ、そのままどこかに連れて行った……というのが事の顛末だ。

 私達2組は蚊帳の外。 っていうか、誰も興味をもってない。 逆に聞きたいんですけど、今まで誰も補習にいってなかったの? だって、うちのクラスでいったら、補習してない方が珍しいくらいなんですけど。 私だってバッチリ補習してますし……って、わざわざ書くことないですね。 2号教官ですもんね、私達に補習出しまくってるのは。 

 あの、他のクラスだと、1回補習がでただけでこんなに大騒ぎです。 出来ればもうちょっと手加減というか、補習は減らしてください。 ほんと、よろしくお願いします。



―― 5月○日 雨 ――


 ショックなニュース。 一昨日トイレの記録を無視して補習を受けた【Aさん】が、学園から退学になった。 補習プログラムを途中で放棄したため、1号教官の判断で『在学継続不可』になり、その場で退学、Dグループにランクされて、学外施設に転出になったそうだ。 私達の学年で初めての欠員になった。

 ……こうなっちゃうんだって、初めて知った。 補習を乗り越えられなかったら。 
 今まで、2組だと全員が消耗しきって、ボロボロになっていた。 そりゃもう見るも無残なくらい精も根も尽き果てた様子は普通のことだ。 ただし、それでも全員五体満足で教室に戻ってきた。 二度と顔を合わせないなんてことはなかった。 だから、心のどこかで『どうせなんとかなる』なんて、甘く考えていたかもしれない。 それは違った。 いざという時は、誰も助けてくれないみたい。

 学外施設って、なんだろう?
 Dランクになったら、どうなるんだろう?
 この学園に残るのと、どっちが幸せなんだろう?
 
 きっと2号教官からすれば、とうに教えたことなんだろうな。
 だけど、私達、分かったようでいてちっともわかってません。 分かったフリをしてるだけ。

 ……でも、もう【Aさん】に選択肢はない。 与えられた新しい環境で頑張るしかない。
 私もどうなるか分からないからこそ、色々考えさせられた1日だった。

 どうすればいいかは、わかんないままです。
 


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