悦びは果てしなく-5
5.
亮平のリードで、リズムに揺れる清美の胸元から、懐かしい香水とフェロモンの香りが溢れてくる。
「3年経ったのかぁ」
亮平は、勃起をする男根を、ズボン越しに清美の内股に擦り付けた。
「所長さん」
清美はうっとりと頬をよせて、亮平の腰を抱いた。
「出よう」
「あの焼きとん屋に連れてってください」
「うん、安上がりで助かるよ」
「あの夜のことは忘れられないわ」
「そっか」
「はい、いらっしゃい所長さん、〜お二人さん、そこ一寸つめて入れてください」
店は相変わらず繁盛している。
「酎ハイ、ライムで、あとシロ、はつ、かしら、しし唐をたれで。タン塩それぞれ3本づつ」
「あたしは、おビールを」
清美の手にしたビールのグラスが、涙で曇る。
帰ってきたんだ、あの幸せな場所に。
「又、お店をやるのかね?」
「ええ、前にやっていた店を買い戻して、今改装中なんです。慣れた仕事の方が安心だから」
「池袋も中国人が増えて、だいぶ雰囲気が変わったけれど、昔からの人も大勢残っているから、前の客が戻って来てくれるだろう」
「所長さん、わたしとのこと、又前みたいに考えていいんですか?」
「当たり前だ、そうでなきゃこんなところへ連れてこないよ」
「お女将さん、肉豆腐2丁」
所長が最期のグラスを煽った。
「お店、ごたごたしてるけど、2階の部屋を空けてあるんで、今日はそこへ来てください。娘も大きくなったんで、住まいは2丁目にアパートを借りています」