悦びは果てしなく-3
3.
大月所長が調べてみると、その男は竿師といって、女をセックスでたぶらかして貢がせるいわゆるコマセを仕事にしているやくざと分かった。熱海辺りから流れ込んで来て、池袋では新顔の組員だったので清美も気がつかなかったのだろう。
「武ちゃん、俺だ・・・・」
所長は、地元縄張りの守山組組長に電話を入れて、一部始終を伝えた。所長と組長は小学校の同級生で餓鬼の時からの遊び仲間、俺、お前の仲だった。
清美には、自分の弱点は分かっていた。どこの馬の骨とも分からぬ男と関係が出来たのも、この疼きが原因だ。頭では、気をつけろ、ヤバイぞとイエローカードを出しながら、子宮が我慢出来ない。
手を握られ、肩を抱かれ、乳房を掴まられては、男の思うがままに身体が開いてしまう。催眠術に掛かったようだ。
正直、小遣いをせびられるくらいは我慢が出来た。満たされる欲情に、むしろ幸せだと思っていた。
だんだんエスカレートをして、店の仕入れにも事欠くようになり、暴力が始まるに及んで、やっと赤信号が点った。このままじゃ、親子が路頭に迷ってしまう。
清美は、所長の計らいでやくざの手から逃れることが出来たが、難題が待っていた。
(あたしは、淫乱なのかしら)
悪い男からようやく別れたのに、夜毎疼く股間に悩まされた。
そんな折、所長にダンスを誘われた。
相談をしているうちに、お互いダンスが趣味だと分かった。
経験で、所長は清美が男好きで、このまま放っておくと又同じ間違いを繰り返す恐れがあると心配をしていた。
清美は亮平のリードに素直に付いて来た。フォローのうまい女は、ダンスがうまい。亮平の経験によると、そう言う女はセックスも好い。
曲が終わり、亮平がハグすると、清美は腰を摺り寄せてきた。
「清美ちゃんは、セックスが好きなんだ」
「うーん、あたし淫乱かもね」
「そっか、俺でよかったら相手をするよ」
「ほんと? あの時、俺の女に手を出すなって言ってくれたもんね」
身元は確実、奥さんがいる、付き合って後々トラブルになる恐れは無い。渡りに船とはこのことか。
「所長さん、好きよ」
清美の胸元から、香水に混じってフェロモンの甘い香りが漂ってくる。
亮平は、さっきからムキムキと膨らんでいるズボンを、清美の腿に押し付けた。
「所長さんっ」
清美の股間がじゅるっと濡れた。