孫を頼む!-8
その後泥酔し更に「若葉ー、愛してるぜー」と爆睡しながら寝言を言う彼を母に連絡して自宅まで送った。
「全くもぅーお父さんったらぁー。」
やれやれって顔で祖父を布団に寝かしつける母。
「…それにしても何してんのよ二人して。」
「え。」
「とぼけても無駄だよ、あんな熱い友情?交わして。」
「げっ!まさか見られちゃった?」
首を思い切り縦に振る。
「あの子はわしにとって大切な子なんだ!とっても優しくてってんもう恥ずかしいよ。」
「でも、間違ってないよ、痛!」
思わず肩をはたいてしまう私。
「でも良かったよ、これで義父さんからも承諾を得て。」
「ははっ、なら私もついこの前義母さんから宜しくねって言われたよ。」
これでお互い両家から承諾を得たのか、あれでも。
「風馬君のお父さんは離婚したから良いよね?ちょっと君には悪いけど。」
「うん、あー僕これから苗字変わったから、正式に離婚が成立して、母さんの旧姓である
野村…になったんで。」
「えっ!?」
何気にサラッと重大な事を口にしたような。
「でも安心して、僕の事はこれまで通りでいいから、あーでも君は関係ないか、恋人を苗字で呼んでもしょうがないし。」
「オッケー、巴ちゃん達にも伝えとく。」
そうなると後はお母さんか…。
すやすやと眠る祖父を見つめる母、そんな彼女をじっと見つめる私。
次回、47話に続く。