〈崩壊〉-18
『ジュルッ…ジュルジュルッ…ぷふう〜……愛……オマエは唾液も美味いんだなあ?ますます大好きになったぜえ……』
首謀者は猿轡に染み込んだ愛の涎をしゃぶると、麻縄と猿轡を持って部屋を後にした。
自暴自棄になって、自分の首を絞められても困るし、何も残さない事で愛には〈何も無い〉のだと思い知らせる為でもある。
『へへへ…だいぶ“懐いて”きたかな?もう一押しして淫乱なペットに……ウヒヒッ…ヒヒヒヒ…!』
もう「逃げる」という選択すら選べないくらいに愛を追い詰めている。
調教という名の凌辱に肉体は崩れ、一人の少女としての当たり前の心までも犯されていく。
そう、“一人の少女”だという認識すら持てない男達が、監禁を働いているという恐ろしい事実は、まだこの建物の中に留まっているだけ。
もはや悲鳴すら出せなくなってしまった愛と亜季の心底からの《叫び》は、まだ誰の耳にも届いてはいないのだ……。