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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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無茶しないで-1

「うわぁー綺麗♪」

ガラス越しに見える色白しく素敵なウェディングドレスが私の瞳にはキラキラと輝いて見えた。

「ふーん、やっぱり高いなぁー。」
「うふふ!」

可愛らしいドレスに見惚れる私とは対して険しい顔でウェディングスーツとドレスの下に明記してある値段に目が釘付けになる。

「…でも高いよね、派手なだけあって。」
「そうだよねぇー、なんせ人生で大事なイベントだし。」
「でも、挙式を挙げるなら別にそんな豪華でなくて良いよ。」
「えっ?」

最近の人は今後の生活費の事も考え安い式で済ませるカップルも多いようで。

「だって私の家庭も君の家庭もお世辞にも大金持ちとは言えないじゃない?」
「まぁね。」

しがない青果店と、か弱い母子家庭、そりゃー優しいお爺ちゃんや彼のお母さんは私たちが結婚式を挙げるって言ったら無理してでも大金を果たし一生に一度の大事な行事を豪華に飾ろうとしてくれるだろう、でもそれは。

「そこまでして豪華にされても嬉しくないよね。」
「うん。」

私が考えていた事を読むなんて流石ね。

「でも、出来れば豪華な式をあげたいんだよね?」
「そんな事は…。」

口では遠慮しつつも本音を言えば、だって大好きな人とこれからずっと一生傍に居られるのだもの、その始まりとなるイベントはやっぱ盛大に祝いたい、人それぞれだろうけど私はそうしたい。彼は私のそんな気持ちにまで気づいてくれたんだ。

「でも!それは無理でしょ?さっきも言ったように、わきゃ!」

諦める私に彼はポンと優しく私の頭に手を乗せる。

「大丈夫だよ!双方の親に迷惑も掛けず、君の願いも叶えるから!」
「風馬、君。」

にこっと微笑む彼、彼がそう言って嘘を言った試しがない。また私の為に色々とやってくれるのか。

「また私の為に色々としてくれるの?」

声に出てた…。

「んもぅーやめなよー著作権に引っかかったらどうするの?」
「えへへー♪」
「…でもそんな事気にしないで良いよ。」
「でもー。」
「優しい君の事だから自分の為に僕が苦労するのが不服のようだけどそれは違うよ。」
「えっ?」
「君は僕の為にずっと前マカロンのお菓子を作ってくれたよね?それも朝早くに。」
「うん、そうだけど。」
「辛くなかったの?そんな早くに起きて。」
「そりゃー多少はね、でも大丈夫だよ、君が美味しそうに食べてくれる…あ。」
「…ふふっ、そういう事。僕が君の親を大切に思う気持ちとそれでも豪華な披露宴を挙げたい気持ちを汲んで色々と働きかけるのは僕自身がそうしたいから。」
「そんな、それでも…。」

彼は私の頭をわしゃわしゃしながら、ウィンクをしおどけたように付け足す。

「世界中で誰よりも一番大好きな女の子の為に、お節介でかっこつけたがりの男の為にやらせておくれよ!」
「っ!?」

風馬、君。

本当に…大好き!


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