優しさに触れ…-9
「そっかぁー、おばさん元気になったんだ、良かったぁー。」
「うん、本当に…一時はどうなるかと思ったよ。」
人気のない公園、風がさーと吹いている。
「風馬君も。」
「えっ。」
「君も随分良い顔付きになったね。」
「うん、…全部君のお陰だよ。」
「そんな事ないよ、私は巴ちゃんに自分の不安を話しただけだし、おばさんの事だって
何となく立ち寄っただけのつもりよ?」
と謙遜する彼女、でも。
「本当に、ありがとう。」
「ううん!私だって良かったよ、大好きな君を救うことが出来て。」
「……。」
「君が私を幸せしてくれるように、私だって君を幸せにしてあげたいから。」
込みあがってくる感情は、もう抑えきれない。
「わっ!」
「ありがとうっ!本当にありがとう。」
「風馬、君。」
力強く彼女を抱きしめる。
「やっぱり、やっぱり僕、君の事…大好きだよっ!」
「お互い支え合って二人で幸せになろうね。」
「うんっ!」
僕と彼女の絆は困難な壁にぶち当たる度、深まっていくように見える。
次回、45話に続く。