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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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素敵な誕生日…な、筈が-6

しかしプレゼントと言ってもいざ考え見れば何を贈ればいい物か、花束は違うな彼氏じゃあるまいし、いや彼氏だけど。ドーナツか、いや伊吹さんの事だ、ケーキと一緒に作ってくれそう、食べ物だし被ってもあずましくない。ならやっぱり僕の尿か、……いやいや
だからそれはおかしいって、何処の世界に自分の尿をプレゼントする子が居るんだ。

「困ったなぁ。」

こういうの考えるのは楽しいけど、いっそ一条君に相談しようか。

そう思いケータイを取り出し彼に電話を掛けようとしたその時、着信がなり…画面に目をやると…。

「佐伯、君?」

それは僕の大好きな男の子、そうだ彼に相談しよう、なんてったって元彼だし、これ以上にないくらい。

「もしもし、佐伯君?」
「…おっ、風馬か?久しぶり元気にやってるか?」

と、お互いの近況報告をし合い。

「じゃー今日は何となく電話をしたって感じ?」
「まぁそれもあるけどちょっと、な。」
「?どうしたの?」
「…例の結婚ハガキ、届いたよな?」
「うん!おめでとう、ってちょっと違うか、お兄さんだったね。」
「あぁ、その兄貴と優華さんが結婚して、それでちょっと今までの生活じゃいられなくなってよ…。」
「え、それって…。」

何かあったのか?

「……いや、なんでもない、ごめんな。」
「佐伯、君。」
「それよりもうじき柊さんの誕生日なんだって?」
「え…う、うん君なら良いアイデア思いつきそうかなーって。」
「まぁ元彼だからな、昔はそれで凄いもめていがみ合って大変だったよな。」
「もぅーそれは良いでしょ、僕らはもう親友なんだからさ。」
「ふふ、そうだな…今でもこうしてお前の声が聞けて良かったよ。」
「僕も、佐伯君の声が聞けて本当に嬉しいよ。」

やっぱり嬉しいな、電話とはいえ。

「近々ちょっとやぼ用でそっちに行くわ。」
「本当!?嬉しいな。」

彼との楽しい会話、すると視線を感じ振り向くとそこに。

「わ、若葉ちゃん!?どうしてここに!?」

目を細め、汚い物でも見るように返答する。

「どうしてってここ、私の家だもん…。」
「!」

そうだった、パーティの主役の様子を見たく立ち寄ったんだっけ。

今更だが、彼女は僕と佐伯君が一緒に居るの嫌がる事を思い出し、恐る恐る。

「ど、何処から聞いてた?」
「僕らはもう親友なんだからさ…から声が聞けて本当に嬉しい、かな?」
「ううっ。」

そのまま何を言うでもなく淡々と家の中に入っていく。

僕はまだこの時、大事な事に気づいていなく、良かれと思った事がどんどん悪い方へ悪化している事に気づかなかったのだ。


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