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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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素敵な誕生日…な、筈が-10

シーンと重い空気が漂い、飾りやご馳走が泣いているように見える。

「全く!信じられないわ!浮気それも同性と、何度も何度も嘘ついて。」
「……ホントだよ。」
「そうでしょ!風馬君ったら。」
「彼じゃなくてアンタがだよ!」
「え?」

鬼のような形相で私を睨み付ける。

「だって!彼は私の事無視したのよ?避けられて、こそこそとこの前は一条君と、で今度は佐伯君と…。」
「でもそれは。」
「何が!…そっかぁ、巴ちゃんまで肩持って。」

すると頬に痛みが走る。

「巴、ちゃん?」
「アンタ、それ本気で言ってるの?」
「それは…。」
「本当に!彼がアンタをダシにしてあたると愛し合ってるって思ってるのっ!」
「……。」

巴ちゃんに引っ叩かれて目が覚めた、そうだこの前彼が未来を語った時だって。

「私は…。」

彼が好き過ぎて、思わず感情が高ぶってしまったのか。

人は事実だと分かっていても心が暴走する事はある。

「…星を観に行ったのに急にお開きになったのは運悪く電話がなり、夜も遅いから、アンタじゃなくて私に駆け寄ったのも単に誕生日を悟られたくないから、そしてあたると電話してたのだって。」
「私の、誕生日の事、それだけで。」

一体何してるんだろう、またしつこくしかもシラを切られたと思ってあんな事を…。

「…さっ、目ぇ覚めたならこんな所でボーとしてる場合?早く行った行った!」

私も頭を冷やすように肌寒い夜の外へ。


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