投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

なりすました姦辱の最初へ なりすました姦辱 81 なりすました姦辱 83 なりすました姦辱の最後へ

第四章 漂着した恋人-3

 声色もひどい土橋だから、細心の注意を払って声をかけた。愛梨は雑誌から顔を上げると、声の主を見て眉間に皺を寄せた。
「あの、えっと……」
 当然そうなる。保彦は部屋で練習してきた通りに、極力気色悪くない仄笑みを作り、
「私、土橋という者です。突然申し訳ありません」
 深く頭を下げ、「本当に突然で驚かれているかと思います。ですが、どうか聞いてください。決して怪しい者ではありません」
「は……」
 愛梨は雑誌を閉じてバッグに仕舞った。周囲を見渡す。一人で応対するのが不安で、待ち人を探しているのだろう。
「アスコエリア真璃沙さん、と待ち合わせされてますよね?」
 そう聞いた愛梨は、えっ、という顔で再び保彦を見上げてくる。
 こうして近くで見ると、何と可愛い顔をしているのだろう。バカップルだと言われようが、こんなに可愛い彼女がいるなんて、本当に俺は幸せ者だ。
 保彦は胸を熱くさせたが、直感に任せてそんなことを考えると、またズボンの中の土橋が勝手に振舞いかねないから、気を引き締めた。
「私はアスコエリアさんの知り合いです。何ならご本人に確認してもらってもいい。実はですね、今日は佐伯さんにとても重要な話があるんです」
 保彦は丁寧に言葉を並べていった。
「えっと、すみません。ちょっとよく……」
 愛梨はこうして土橋と話し続けてよいものか迷っているようだった。
 だが、この言葉を聞いたら、こちらに耳を傾けずにはいられないだろう。
「お話とは、あなたのお付き合いされている、武藤保彦さんのことについて、です」
 会っていて様子がおかしいようなところはないか……、土橋が自分になりきろうとしても所詮付け焼き刃だ。きっと愛梨の前で何かボロを出しているだろう。話しているうち、愛梨は見落としてきた違和感に気づく。本当なら武藤さんはこういうタイプなんじゃないですか? 自分の事なのだから、僅かなヒズミも見逃さない自信がある。状況証拠を並べていけば、この異常事態を知らされても、愛梨はむやみに虚言と考えないだろう。
 そう、素直で優しい愛梨ならば。
「武藤さんなんですが……、あ、こちら、掛けさせてもらいますね」
 保彦は愛梨の対面のソファに腰を下ろした。
 ――すると入れ替わりに愛梨がトートバッグを肩に通し、すっくと立ち上がった。
「すみません。何をおっしゃられるのか、よくわからないので」
 毅然とした態度で愛梨はグラスを持って立ち上がった。返却口へ向かおうとする。
「あっ、ちょ、ちょっと待ってくだ――」
 だが愛梨は逃げるように去っていった。保彦を一瞥した時、唇だけが動いた。声は聞き取れなかったが、「キ」「モ」と呟いたのが分かった。




 真璃沙はレッスンに通い続けていた。
 スタジオの中で、コーチとともに大きな鏡の前でポージングのトレーニングを行っていた。鏡の中のコーチのポーズを真似ていき、合図とともにピタリと体を止める。激しい運動でも、無理な体勢でもない。だが、これがなかなかの負荷を身体に与えてきた。
「はいストップ。指先までしっかり意識して。……真璃沙ちゃん顔! しっかり表情作って!」
 少しでも油断するとコーチの指導が飛んでくる。プロモデルはどんな時、どんな場所であっても、一旦カメラを向けられたら、求められるイメージを人間らしくも精密に体現しなければならないのだ。そこがマネキンと決定的に異なるところだ。
 しかし、真璃沙は喜怒哀楽を鏡の中に作り上げながら、こうして客観的に自分を眺めていると、どうしてもあの日のことを思い出さずにはいられなかった。
 恐ろしい一日だった。
 痴漢された比ではない。罠にかけられ、縛られ――、レイプされたのだ。
 だが最後、自分はどうなってしまったか。
 これまで真璃沙が視界にも入れたくないと思っていた、メタボリックな上に禿げて脂じみた気色悪い中年男。そんな男の肉棒を体の中へ出し挿れされて、一度の量が尋常ではない体液を何発も体の中に注がれた。子宮口をムニュリと押し上げられ、僅かに頭が奥の室に入り、胎内の壁に熱い粘液を撒き散らされた時の汚辱感は忘れがたかった。
 いや、穢されたのは体の奥だけではない。モデルを志す動機にもなった、幸運にもハーフに生まれることができ、他の子よりも断然整っていると自負している顔に向かって、男は銃口を向けてきたのだ。視界が白く塞がれたかと思ったが刹那、顔面を情欲の熱汁を浴びせられた。
 猛烈に生臭かった。なのに、そんな粘液を顔に浴びたまま、自分は絶頂した。生まれて初めてのエクスタシーだった。
 中学の時から男の子と付き合ってきた。好きだというより「彼氏持ち」になりたかっただけだった。十四歳で初体験を済ませた時も、非処女であることが「カッコいい」というわけの分からない価値観で嬉しかった、それだけだった。


なりすました姦辱の最初へ なりすました姦辱 81 なりすました姦辱 83 なりすました姦辱の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前