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なりすました姦辱
【ファンタジー 官能小説】

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第四章 漂着した恋人-2

 歳も歳なのだから、きっちりとしたビジネススタイルが正解だったのだ。新品のスーツに散髪したての頭。相変わらずの不細工な顔と不恰好な体だったが、少しは緩和されただろう。
 しかし会いたい、会いたいと思っていた愛梨に、いざまみえると、その可憐さに見とれ、余計に今の自分の姿に悲観して、手汗が滲んで二の足を踏んだ。
 愛梨はバッグから取り出した雑誌を眺めていた。姿勢正しくもゆったりとソファに腰掛けている。やがて雑誌を開いたまま膝の上に置き、グラスを手に取り、ストローを摘んで喉を潤した。
 ピンクの艶やかな唇が開いて、緑色のストローの先端を咥えた。飲み口を迎える時、一瞬だけ舌が見えた。
 ほんの一口だけ飲んだにすぎなかった――だめだ、やめろ――保彦の制止を振り切り、スーツの中で男茎がムクムクと頭を上げていった。
 俺もあの唇に舐めてもらいたい――、――俺は舐めさせてるぜ?
 背中から刃で刺されるような声が聞こえた気がした。
 愛梨は熱心に雑誌の記事を読んでいた。何の記事かはわからないが、美しい指で支えている表紙の端に「おすすめデート」という何かの特集タイトルの一部が見えた。少し口元に笑みを湛えている。自分と出かける時のことを想像して、幸せな気分に浸っているのかもしれなかった。
 だがそいつは違う。
 保彦は黒ずんだ爪を齧った。そいつじゃないんだ。
 愛梨が恋人の前で体を開いている光景が想像されてきた。バスタオルを巻いた胸元と脚の付け根に恥ずかしげに手を添えているが、正面から近づいてくる恋人に腕を取られ、引き剥がされていく。頬を赤らめる愛梨だったが、さしたる抵抗は見せず、むしろ笑みを湛えて素直に応じている。
 だが優しく扱われたのはそこまでだった。バスタオルが毟り取られ、全裸にされると濃密に唇を吸われる。ストローを咥えた時に垣間見た麗しく柔らかい唇へ唾液まみれの舌が這わされ、眉間を寄せる愛梨の慎ましやかなバストが捏ねられる。
「ぐ……」
 テーブルの上で握りこぶしを作って呻きを漏らした保彦を、隣のサラリーマンが訝しげに見た。
 目を強く閉じて振り払おうとしても、仰向けにされ、脚を大きく開かされて秘所を貪られている愛梨の姿が、すぐ近くに本人が座っているだけに、恐ろしい生々しさで頭に浮かんできた。立膝にされ、顔の上に腰を下ろして揺するように指示されているかもしれない。あるいは四つん這いにされ、真後ろから秘門を広げられて指を挿抜されているだろうか。あるいはもっと……。
 頭から煙が出そうだった。同時にスーツの中の男茎も猛り狂っていた。
 保彦は必死になって悋気と淫欲を追い払おうと闘った。こんな有り様では、とても愛梨へ足を向けることができなかった。
 愛梨が手首の内側の小さな腕時計を見た。それから髪を揺らして入口を、そして店内を見渡す。待ち人を探し、やはりまだ来ていないと分かると、鼻から小さく溜息をついて元の姿勢に戻った。
 店内を見回した時、当然だが自分の方を向いても、存在を目に止めてくれなかった。
 保彦は立ち上がると愛梨に背を向けてトイレへと向かった。個室に入り、慌ただしくズボンとブリーフを足首まで下ろした。
(愛梨っ……愛梨っ!)
 悲哀の声を堪えてヌルヌルになった男茎を握りしめた。
 ストローを咥えた唇は、いや愛梨の存在は、全て俺のものなのに……!
 拳を先端へ向けて動かしただけで、もう陰嚢がせり上がってきた。
「おうっ……」
 息を止めることで声を殺し、前屈みになって便器の中に発射した。猛精が吐き出されていく。膝が笑い、何発か便器を外したが、保彦は構わずに放出し続けた。
 愛しい愛梨だ。この尿道が擽られる感覚も無理はない――
 ヌチュッ、ヌチュッと音を立てて拳を緩めていった保彦は、白い便器なのに、その存在が分かるほど大量に吐き出した黄ばみがドロドロと吸取口に垂れ落ち、溜められた水を澱ませていくのを見ながら呼吸が落ち着くのを待った。
「ふうっ」
 最後に一つ、自分に言い聞かせるように大きく息を吐く。
 トイレットペーパーで男茎を拭った。洗面台で手を丁寧に洗い、ついでに顔も洗う。何度洗おうが顔の脂は落ち切らないが、とにかく土橋の邪淫を薄めようと繰り返し顔を擦った。
 ハンドペーパーで拭った顔を上げると、鏡の中の自分と目が合った。あのまま会っていたら、愛梨を怯えさせてしまっただろう。射精をする前の自分は、間違いなく身も凍る醜悪な顔をしていたに違いない。
 珍しく土橋の男茎は一度の放出で頭を下げた。これならいける、保彦は自分に向かって頷くとトイレを出た。
 愛梨はまだ雑誌を読んでいた。これだけ待たされてもイライラしている様子はない。
 やっぱり優しく、最高の女だ。愛梨なら、きっと、俺の言うことを信じてくれる。もう二度と、偽物の恋人には会わせずに済む。
「――すみません。佐伯愛梨さん、ですよね」


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