第22章 感じない女-2
第22章 感じない女(2)
美弥の右手を緩めたマヤはその手にバイブを持たせた。
「スイッチが……」
「バイブのスイッチは入れないわよ。さあ、もう始まっているから、十分は切っているわ。……するのなら早くね」
美弥は手を精一杯伸ばしてバイブの先端を秘裂に宛てようとした。両足を開いているのに秘裂の二枚の扉はまだ立ち上がっていなくて、肉壺の入り口に半分蓋をしていた。右手を動かして膣口にバイブの先端を潜り込まそうと懸命にバイブを縦に使って扉を拡げていく。ようやく入り口が顔を見せた。
しかし濡れてもいない膣口にバイブを沈めていくのは大変だった。美弥は、あわててバイブを頬張り、表面を濡らした。秘肉を前後したため、バイブを口に含んだとき、うすい塩味が口の中に拡がっていった。
再び肉壺の口めがけて何回かトライしていた。
しかし、バイブが重いこともあってなかなか上手くいかなかった。何回目かの挑戦の結果、ようやく自分自身の中に沈めることができた。
「さあ、あと八分よ」
重いバイブを操るのは大変だった。美弥は目を閉じると唇を噛みしめてバイブに動きに集中した。濡れていない膣を、バイブで前後させるのは相当な抵抗があった。ムチムチ、ネチネチと乾いた音が聞こえる。
「あと六分よ」
何往復かするうちに出入りするバイブの表面が次第に光り出していた。
「ああっ……うううぅぅ……」
噛みしめていた唇がいつのまにか半開きになっていた。
「ううぅ……ああん……はぁん」
鼻から太い息が吐き出されてきた。足の親指が妖しげな動きをしている。曲げたり反ったりと美弥のもどかしさを表している。
眉根が寄り始めた。ようやく準備が整ったという感じだった。しかし絶頂にはまだほど遠かった。
美弥は一段と深く抉るようにバイブを沈めたり戻したり大きな動きをしている。ヌチャヌチャと恥ずかしい音が続く。
「あああ、いやぁ……」
「だめよ。約束の時間がきたわ。……はい、お終い」
マヤは美弥の手を払いのけ、膣内におさまっていたバイブを静かに抜き取った。
ヌゲッという、品のない音を立てて、バイブが顔を見せた。バイブの先端には白い粥状の蜜液がドロリとついていた。
不完全燃焼のまま、美弥の右手はマヤによってもとどおりに括られてしまった。秘裂を飾る花びらはバイブの刺激で立ち上がり左右に開ききっていた。そして間に蜜液が潤んで溜まっていた。
「まあ、満足いかないだろうけれどもお前の気持ちは尊重したんだからね。……それにこれから男たちからいっぱいかまってもらえるんだから、今ぐらいはがまんするのね。……前から感じていたんだけれど、お前のここは臭いわね。愛液そのものが匂うのかしらね。……ユキ!お前は臭く感じないかい」
ユキが近づいて美弥の秘裂に顔を寄せた。ツンと女の尿の匂いが漂う。
つづいてマヤが秘裂に手を添えて肉壺の臭いを嗅がせようと、花弁を開いた。ゆっくりと小陰唇が離れて入り組んだ膣口が顔を見せた。そのとたん、独特の焼けたような魚臭いような臭いを感じた。ユキは首を傾げていぶかしげな顔をした。
「臭いかといえば……臭いような気もしますが……でもあまり嗅いだことがないから」
「私はね。……臭いがきついのは苦手なのよ。そうそういいものがあるわ。これで臭いを消しておきましょう」
マヤは部屋の隅にあるものに目をやった。
そして何かを取りに行ったので、美弥の視界からマヤが消え去った。
しばらくしてマヤが近づいてきた。手に一本の赤いバラの花を持っていた。
「どう、きれいな花でしょう。いい香りでしょう。きっとあなたに似合うわ。臭いおまえの一輪挿しに生けてあげましょうか」
「いや、やめて。お願いよぉ」
美弥は恐怖で目を見開いた。バラの棘が女の柔肌に刺さってくると思っただけで、身体が震えてきた。
マヤは怖がる美弥を楽しむかのように美弥の顔の前でバラの葉を手でむしりとった。緑の葉っぱがなくなり、赤い花と三角形の鋭い棘のついた茎だけになった。
「この、棘の付いた茎をどこに入れようか。さっき、バイブで逝けなかったここに挿れてやろうか?」
「やめてっ……お願い、やめてっ」
「あら、どうしてぇ。……さっきこんなブツブツの付いたバイブを激しく出し入れしていたじゃない。同じよ。……それにおまえの肉壺の入り口だって、ピンクの薔薇の花びらみたいに複雑に入り組んでるわ」
マヤはバラの茎を十五センチほど残して、ポキッと折った。
「嫌よ……やめて……やめて……お願い」
「きっと二つの花が揃って,似合うわよ。……それに……良い香りになるじゃない」
バラの花が美弥の視界から消えた。
「やめて……やめ、うわっ……ぎゃっ……」
肉壺に入れたバラの花をググッと奥まで推し進めた。
美弥の叫びが部屋に響く。
「うん。……綺麗じゃない。うん、今度は良い香りぃ……臭いラフレシアがバラになったんだものね」
声もなく泣きじゃくって痛みに耐えている。
そんな美弥を無視するかのように今度はピンクのバラを手にしてきた。
「これはお尻に……」
「やめてぇ……もう、やめてぇ……いたたた……痛いっ」
「どう、しばらくはウンチすると滲みるわよ」
そして、最後は黄色のバラを持ってきた。
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