隠者-3
だが俺は『少年』の失言に気がつかない振りをして言った。
「おいおい、なんで男のお前が女と張り合おうとするんだ?」
「そ……それは、たとえばの話だよ。もし俺が女だとしたらどのくらいかなって……」
「なるほど、ちょっと難しいが、お前も結構イケメンだからな……ちょっと鎖骨を見せろ」
「さ……鎖骨? 必要か、この際」
「ああ、さっきも言ったように鎖骨に人体の秘密が隠されているんだ」
俺は『少年』の襟首から手を入れて鎖骨を指ですーっと撫でた。
「やっぱりだ。お前は良い鎖骨をしている。あのホットパンツよりも良い体だ。
それに胸板もしっかりして厚いし、脇の広背筋が発達してるから男としても良い体だが、女だとしても極上の部類だろう」
俺はしっかり押さえた布の上からそれとなく乳首の辺りを触って、脇の下から手を滑らせて胸板ではなく、押しつぶされた乳房をぐいっと掴んだ。
「あっ、何を」
「良いじゃないか、俺にランク付けを頼んだのはお前だ。
ついでに尻も触るぞ。うむ、これも良い尻だ。男でも女でも尻はこうでなきゃいけない。
ブラジル人は男女とも尻をできるだけ見せて自分の魅力をアピールするそうだ」
そこまでしてから俺は『少年』の裸をもう一度見た。
『少年』の身体は明らかに変化していた。
乳首がつんっと立っていて、股間はクリトリスが勃起し、充血して膣口が濡れていた。
つまり俺が触ったことにより発情していたのだ。
「もう良い、分かった。俺が女だとしたらあいつらよりもレベルが上の女だったろうってことだよな」
そのまま立ち去ろうとする『少年』を俺は手首を掴んで止めた。